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癌を飼う  作者: 路輪一人
1/1

2026年 3月16日

 ついさっき、病院から帰ってきた。




 正確には、数時間前に家につき、なんだか色々とムカついたので寿司を食いにいき、腹いっぱい寿司を食って今PCの前でこれを打っている。ちなみにムカつきは解消されていない。




 理由としては「癌」である。思えば2021年、5年前の3月末、私は子宮体癌の宣告を受けた。それからあれよあれよというまに私の使われなかった子宮は摘出され、私の腹の中はからっぽになったはずなのだ。




 あれから見事五年である。




 取り出された子宮に「張相」と名付けて愛でようかと思ったのだが、この年でそれは本当にイタすぎる、と判断、張相は多分燃やされてしまった。で、今年、2026年、3月16日、子宮体癌跡地で静かに進行していた、ヤツの名前は「壊相」毒々しい名前を持つこいつを、私はまた腹で飼わねばならなくなった。




 医者のいうところ、「再発は慢性。一生ついて回ると思え」らしい。


 先生が酷く深刻そうに声を潜めて仰るので、自分としてはピンときていない。何故なら、自分の人生、あと20年でしっかり終わらせようとしている人間にとって、一生、というのはあと20年の事なのだ。




 それでもまあ、あと20作は作品を書きたい。書いて書いて、自分の「楽しい!」を突き詰めて死んでやりたい。空知英秋のいう「坊主のいう事に振り回されるぐらいなら、自分の夢にでも振り回されりゃよかったんだ」を、「完全に自分で自分を振り回した」と自慢げにあの世で宣言する為に、私はこれから癌を飼う。




 やつらは多分もう全身に存在しており、何かの弾みで飛び出して「育ててくれ」と泣くのだろう。だがもう私の肉体はそういう風には作られておらず、悲しいかな生まれた不遇の子の首を絞める他ないのだが、不遇の子の首を一つ一つ、合法に締めていくのは中々に。(略 である。




 というわけで不定期エッセイ、「癌を飼う」開始です。そのうち手術もするのか、できないのか、出来たら出来たでエッセイを書くし、自分が今心より楽しみなのは抗がん剤である。




 抗がん剤。髪が抜けるらしい。食べれなくなるらしい。




 吐いても詰め込めれば万々歳、一応命尽きるまでは十分にため込んだ腹の脂肪が控えている。




 髪が抜けるらしい。完全合法のパンクスタイルである。ムチャクチャ楽しみなんだ。ハゲ頭で外出して人に注目されるの。「パ、パンク・・・?」に「いえ、抗がん剤です」って返したい。やりたい。すごいやりたい。




 病気や不幸は不謹慎で笑うに限る。2021年、子宮体癌をやらかした年に、私は母親も失った。一年で「お袋と子袋(子宮)をなくした」と一世一代のギャグをかましたのだが、笑えない、と滑り散らかした。




 なので今回はもうちょっと、笑えるネタを探していこうと思います。




 最期に辞世の句を置いておきますね。




「蒼天振りあぐつま先の 我 軽やかに 虚を踏み抜けり」 路輪 一人

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