15:眷属化
ゾルスのキング時代の苦労話はなかなかだった。
通常のゴブリンはかなり知性が低く強いものと餌にありつける環境を選ぶようで、エサが得られない群れはすぐに数が少なくなり反対にエサを得やすい群れは大きな群れになるとの事、また、群れのヌシはゴブリンキングとは限らずゴブリンロードだったり、ゴブリンシャーマンだたりもするらしい。
また、ゾルス達に出会った森や今いる森の事とかを聞いたのだが、森には多様なモンスターが生息してるようで、大きな群れをなすのは、ゴブリン・オーク・オーガなどだそうで、ゾルスがヌシだったころは、まれにオークやオーガの群れに襲われた事もあり、特に冬の時期はエサが少なくなるのでモンスター同士の争いが激しいとの事だ。
そんな話を聞きながら1時間くらい歩いているとハンゾウが短剣を構えシャドートレーニングをしていた。
「ハンゾウ、今晩泊まる場所確保できた?」
そう声をかけるとハンゾウはトレーニングを中断しこちらですと案内をしてくれる。
場所は、ハンゾウが居たあたりから200メートル程奥に入った場所で昨晩と同様ロゼフが土魔法で崖に穴を掘り洞窟のようになっていた。
周りは平坦な感じで周りの木々を切って更地にしたら訓練とかには適しているかもしれない。
「マサト様お待ちしておりました、本日はここで夜をあかしましょう」
そういうとロゼフはゾルスに洞窟周りの木の除去を依頼しているみたいだ。
錬成で地面を緩くすれば木を根元から抜きやすいかもとゾルスに伝え実験をしてみる。
錬成で地面を柔らかくしてゾルスが力任せに木を引き抜く、さすがゴブリンキングだけあって周囲1メートルくらいの木を軽々と引き抜いていく。
日が傾くころには洞窟を中心に周囲100メートル程の更地が出来上がった。
「うん、なんかすっきりしたね」
「そうですな…ちょっとやりすぎな感じが致しますが…」
ロゼフがそう言い周りを見渡す。
うん、確かにやりすぎたかも。
あとは何かの折に役に立つかもしれないので抜いた木の枝を切り、丸太にしていきアイテムBOXに収納しておく。
あとはロゼフに地竜とアトゥロォゥシャスタートルの洗浄を依頼する。
「ロゼフ、さっき掘り出した地竜とか泥まみれだから水魔法で洗って泥落としてもらえる」
「お安い御用です。ただ地面が土ですので水で洗っても完全に綺麗にはなりませぬぞ」
確かに、大きな石を持ってきて錬成で台を作るか。
ロゼフ、この辺に大きな岩ある?
「あちらのほうに少し行けば大きな岩がありますが」
「じゃあ取ってくる。」
「マサト様、1人では危のうございます。わたくしもお供いたします」
そういうとロゼフは岩があるほうを案内するといって先導してくれる。
うん、俺って過保護にされてる? 自分がまともに戦ったのって逃げるゴブリンを後ろから木の棒で殴ったのと石で撲殺した2回だけのような気が…。
そう思いながらロゼフの後をついていくと横幅5メートル縦2メートルくらいの大岩がいくつかあった。
「このくらいの大岩でよろしかったでしょうか?」
「うん、大丈夫」
そう言いアイテムBOXに岩を収納して、ほかの大岩も3個ほど収納しておく。
「じゃあ戻ろうか」
そう言い元来た道を戻ろうとしたところ何かが近づいてきた。
「ガサガサ」「ブゥヒーブブ」
「ブゥフヒー」
あっ異世界で初のオークだ…ほんとに豚の顔にデプッってした体型。まんまじゃん!!
「マサト様、お下がりください、ここは私が」
「ロゼフ待って、これは自分で倒す、初めてまともに戦闘する機会だから」
「しかし…」
「まあ危なくなったら助けてね」
そういうと昨晩作った日本刀型の剣を抜き魔力を流し付与を施す。
オークは警戒という言葉を知らないかのように無造作に向かってきた。
「なめられてるのか、バカなのか」
そう呟くと足に力を込め一気に地面を蹴り間合いを詰める。
刃を横にしてすれ違う瞬間に胴を斬る。 そして振り向きざまに右側から袈裟懸けで斬り裂く。
ザシュッ!!
オークはそのまま倒れこみ息絶えた。
「はぁ~意外と何とかなるな…」
そう独り言をつぶやいているとロゼフが満面の笑みで近寄ってきた。
「マサト様、お見事です。 剣術を嗜んでおられたとは」
「剣術というか剣道と居合道」
「剣道と居合道とは? まあ剣技には変わりございませんな、いや~お見事でした」
なんかべた褒めのロゼフは、魔石の回収と死体の処理は任せろといってくれたので、後はロゼフに任せてゾルスのいる洞窟のほうに戻る。
洞窟の方ではゾルスが石を並べ焚火をする場所を作っていた。
とりあえず邪魔をするのもなんだし、地竜を洗う台を作るのが先決なので洞窟から離れた場所にアイテムBOXから大岩を出して錬成で高さ50センチくらいの平らな台座を作る。
「よし、これでこの上に地竜を乗せて水魔法で洗えば泥が落とせるね」
そうこうしてるうちにろロゼフが戻ってきたので地竜の洗浄を頼む。
地竜の洗浄が終わりアトゥロォゥシャスタートルを出した時のロゼフの顔は傑作だった。
まさに開いた口が塞がらないとはこのことだろうとおもう。
亀ではないとの事だったけど、形は亀に似て平らで背中の部分が大きな鱗で追われている。
確かに鱗が亀の甲羅に見えるな…。
ロゼフいわく2本角の地竜よりこの鱗は固くて丈夫らしい。
そうこうしてるうちに偵察に行っていたバルタが帰ってきた。
「マサト様、ただいま戻りました」
「で、どうだった、今どのあたりかわかった?」
「はい、結論から言うとここから城塞都市までは半日とかかりません」
「このまま川沿いをしばらく行くと森が切れ平地が現れます。 そこからしばらく行ったところに城塞都市がございます」
「よかったじゃあ明日には着くね」
「左様で、明日の日が昇るころにここを出れば町には日が昇りきる前に到着致します」
「じゃあ明日の朝一で出発だね」
なんだかんだでどうやら普通に森を歩いて町を目指すより早く町に到着しそうだ。
「土砂崩れに増水にトラブルが多かったけど結果早く着きそうでよかった」
「土砂崩れも増水もマサト様、が原因ではございましたが…」
ロゼフが痛いところをついてくる。
横着をしようとした結果大惨事がおきましたが結果オーライだ。
ただ問題があるとするとゴブリンであるゾルス達4人は町に入るどころか近づいたら攻撃を受ける可能性もある。
「ロゼフ、眷属化の話だけど、魔石を使ってどう眷属化をするの?」
「わたくしが昔見た書物によると、主人の血で書いた魔法陣と魔石をもちいて眷属とのつながりを強化する、と記載がありました」
「書物あったの? まあそれはさておき、魔法陣? どんな魔法陣?」
「それが…、特にその記載はなく魔石もどの様に使うのかも記載がなかったので…」
「うん、魔法陣とかわからないけど、とりあえずやってみようか…」
そう言って現在手持ちの魔石を確認する。
ゴブリンの魔石、約400個
オークの魔石、1個
一角地竜の魔石、6個
何のかわからない魔石、52個
「とりあえず、地竜の魔石1個とゴブリンの魔石50個、何のかわからない魔石10個でやってみよう」
「マサト様、いきなりそんなに多くの魔石を使って失敗でもしたら魔石がもったいないですぞ」
「まあその時はその時で…、じゃあ誰からやる?」
ゾルス達4人は顔を合わせてお前が、いやお前がって感じの会話を目でしている…。
じゃあ俺が、いや俺が、じゃあ俺が、どうぞどうぞ…、的な流れにはならないようだ。
「拙者が…」
沈黙に耐えかねたのか、ハンゾウが名乗り出る。
現状一番の新入りだし通常のゴブリンだから上位ゴブリンの圧力には抗えないんだろうか。
人間社会もゴブリン社会も似たようなものか…。
「じゃあハンゾウから眷属化してみよう、とりあえず、そこの台の真ん中に寝て」
そう言うとさっき地竜を洗った石台の真ん中ににハンゾウ寝かせる。
魔石をどう使うのかわからないのでロゼフと話し合った結果ハンゾウの体の上に並べていく。
仰向けに寝るゴブリンの上に並べられる魔石…、異様な光景だ!
ちなみにハンゾウは最初に手を挙げたので地竜の魔石を2個、ゴブリンの魔石を100個、オークの魔石を1個、その他魔石を15個使用する。
あとは主人の血が必要との事ですがどの程度血が必要なんだろうか?
2、3滴でもいいのか? いや少なすぎるか? よく分からないが、俺は意を決してナイフで指先を少し切る。
指先から生暖かい感触がを伝い石の上に流れていく。
時間をかけると血がもったいないのでそのまま石に手を当て石の上に広がる自分の血に魔力を流し込み魔法陣をイメージする。
「おお、マサト様、五芒星の魔法陣ですな、いや六芒星ですか?」
五芒星と六芒星どちらか迷っていると魔法陣もそれに応じでコロコロ変わるようだ。
とりあえず全く他意はないが六芒星にした。
決してエロイムエッッサイム、エロイムエッッサイム我は求め訴えたり…! とかの影響ではないはず。
血に魔力を流し込み六芒星の魔法陣を形成しあとは眷属化した後のハンゾウをイメージする。
素早く俊敏に動き、気配を絶って獲物に近づき、2本の短刀で舞うように戦う姿を…。
そして魔法陣の魔力をハンゾウに集中するように収束していく。
魔石が光だしハンゾウに吸い込まれていく。
すると死霊術を使った時よりも強く太く何かがリンクする感覚があった。
「成功した?」
そういうとハンゾウを見る。 あれ?なんか少し背が伸びてゴブリンより人間っぽい顔つきになった?
当のハンゾウは自分に変化があったのかよくわかっていない様子だ。
「ロゼフ、これは成功? それとも失敗?」
とりあえず眷属化言いだしっぺのロゼフに聞いてみますが回答は返ってこない。
「ハンゾウ、何か変化はあった?」
「よくわかりません。ただ力がみなぎるような感じではあります」
「ハンゾウ、俺の影に潜れる?」
「影ですか? やってみます」
そういうと影に潜るイメージを教えてもいないのにハンゾウが影に潜っていく。
一応確認のため自分も影に潜ると影の空間にハンゾウが居た。
リンクが強くなり血のつながりが出来た影響か影魔術の影に出入りできるようになったようだ。
恐らく眷属化は成功のようだ…、多分…。
影から出てハンゾウには自分の体と戦闘能力が上がっているか確認するように言ってゾルス達の眷属化も行う。
一人が終わって無害だとわかるとあとは自分から自分からとなったので、ゾルス、ロゼフ、バルタの順に眷属化をする。
ゾルスは今の体格よりさらに引き締まった体で大剣を振るう怪力をイメージし。
ロゼフは魔力が体に満ち、魔法を放つ知的な感じをイメージする。
バルタは華麗に槍を振るい、舞うような体捌きをイメージで。
結果ゾルスは以前に比べ一回り小さくなった感じですが筋骨隆々な感じに。
ロゼフは知的な感じの中に強力な魔力を秘めた感じに。
バルタはゾルス程ではないにせよ筋骨隆々でしなやかな感じになった。
そして試してみたら、3人とも影に入れるようになっている。
影の出入り等の制約は今後検証していくとして。なんだか今日はとても疲れたので休む事にした。
ハンゾウを含め4人は自分の体の状態を確かめるべく各々好き勝手に訓練をしているので、少し寝るから、しばらく各自で体を確かめて晩御飯の時に起こしてと伝えて洞窟でひと眠りすることにした。
まあ眷属化が成功して4人が影に入れるようになったのでこれで町に入る際の心配はなくなった。
町で生活するのに必要なお金の元手もあるから心配事と言えば町にすんなり入れるかだ。
まあその辺は何とかなるだろう…。うん、少し眠ろう…。
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眷属ステータス
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名前:ゾルス ゴブリンキング(眷属)
LV:53
HP:984
MP:165
体力:∞
筋力:698
敏捷:257
知力:62
物理耐性:380
魔法耐性:200
スキル:
上級大剣術LV1 中級剣術LV8 中級格闘術LV9
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名前:ロゼフ ゴブリンシャーマン(眷属)
LV:73
HP:352
MP:761
体力:∞
筋力:257
敏捷:196
知力:93
物理耐性:90
魔法耐性:260
スキル:
中級火魔法LV7 中級水魔法LV5 中級土魔法LV5 中級治癒術LV1
死霊術LV3
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名前:バルタ ゴブリンロード(眷属)
LV:65
HP:708
MP:189
体力:∞
筋力:579
敏捷:283
知力:58
物理耐性:210
魔法耐性:160
スキル:
上級槍術LV1 中級棒術LV9 中級風魔法LV1
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名前:ハンゾウ ゴブリン(眷属)
LV:21
HP:167
MP:86
体力:∞
筋力:128
敏捷:271
知力:28
物理耐性:45
魔法耐性:45
スキル:
中級短剣術LV1 格闘術LV7 気配遮断極 暗殺術LV5
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誤字脱字、稚拙な文章ではございますがお読み頂ければ幸いでございます。
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