表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千年時計  作者: ちゃぴ
第1章  第1幕 時を紡ぐ時計 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/101

--第81話 魔王の未来線


 ——時の深海の奔流が再び動き出した。


 七人の英雄が立ち上がる。

 時相断層を超え、全方向から未来と過去の攻撃が飛び交う中、彼らは互いの存在を確かめ合った。


「アルディエル……!」

 ハルヒが剣を握りしめる。

 その目に映るのは、無数の光の線——魔王が織り上げた“未来線”だ。


 光の糸は、時間軸の差異を伝え、未来の動きを現世に投影する。

 その線に触れれば、どの瞬間に攻撃されるかが全てわかる。だが同時に、錯綜する未来が意識を圧迫し、精神を削る。


「これは……一体……」

 ユグノアが額の汗を拭う。

 数十の未来が彼女の頭上で爆発するかのように現れ、どれを選ぶか迫る。

 これがアルディエルの時空操作能力——“未来線戦闘”だ。


 リィナが口を開いた。

「私たちだけの未来を、作るしかない……!」

 彼女の歌が時海の波を振動させ、七人の時間だけをわずかに安定させる。


 アルディエルが槍を掲げた。

 その槍先には、光の糸が絡みつき、七人を包囲する。

「私の未来をすべて通過し、抗う……。面白い。だが、この世界で抗える者は誰もいない」


 ハルヒが一歩前に出る。

「抗う者はいる!俺たちは――過去も未来も全部抱えて、ここまで来たんだ!」


 その瞬間、七人の連携が完全に重なった。


 レオンの剣が、未来の自分を斬るかのように光を振るう。

 ガルドの戦斧グラヴォルテスが、過去の傷を押し返す重力波を叩き込む。

 リィナは歌で時間の偏差を正確に戻す。

 ミリアは回復の光を“予測補正”し、攻撃が届く前に仲間を守る。

 セリアは光装弓セレスティアで未来の軌道を射抜く。

 ユグノアは戦術思考で七人の行動を一瞬の遅延で補正する。


 光と影の奔流が衝突し、アルディエルの未来線の束が裂けた。


 だが、魔王は微動だにせず立っている。

 未来の破片が散乱する空間で、ただ一つの意志だけが残る——“勝利は私のもの”。



 ハルヒが心を集中させる。

 時計の刻印が胸で脈動する。

「時間……止めるだけじゃない、未来そのものを掴んでみせる!」


 彼の視界に、七人の未来が同時に映る。

 もしアルディエルに抗えなければ、それぞれの未来は滅びる。

 だが、全ての未来を同時に認識することで、**“可能性の線”**が一本、太く輝き始めた。


 その瞬間、ハルヒの剣から強烈な光が放たれる。

 光は未来線を貫き、アルディエルの槍を弾き返す。

 魔王の瞳が、初めて驚きに揺れる。


 アルディエルが動く。

 槍が時空を切り裂き、七人を断層の中心に引き寄せる。

 その力は過去と未来の全てを巻き込み、七人の存在を消去しかねない。


「これが……私の全力……《未来線裁き》――ッ!」


 空間が波打ち、時海が渦を巻く。

 七人は必死に抗うが、全身が時間の歪みに引き裂かれそうになる。


 リィナが咆哮した。

「歌え!時間を止めろ!七人の未来を守るために!!」


 風と光の波動が炸裂し、七人の“今”だけを保持する。



 未来線を巡る死闘が続く中、ハルヒの胸の時計刻印が限界を超えて赤く輝いた。


 ——この力を使えば、アルディエルを追い詰めることはできる。

 だが代償は……


 ——彼が元の時代に戻れなくなる可能性。


 ハルヒは視線を仲間に向ける。

 彼らの決意が、未来を一筋の線に束ねる。


「……行くぞ、七人の未来を、俺たちの手で掴む!」


 光と闇がぶつかり合う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ