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千年時計  作者: ちゃぴ
第1章  第1幕 時を紡ぐ時計 

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--第67話 誓いの残響


 白銀と黒炎がぶつかり合い、世界は音を失った。


 風も光も、時間の揺らぎすら止まり——

 戦場は“静止した永遠”に沈んでいた。


 その中心で、ハルヒとグラーデンだけが、まるで絵画の中の人物のように微動だにせず対峙している。

 だが、静止しているのは外側の世界だけだった。


(……ここは……?)


 ハルヒの意識が、深い深い闇を漂う。

 声も光もない無音の空間——時間の外側。


 その闇の中で。


――……ルヒ……ハルヒ……。


 かすかなさざ波のような“声”が、闇をゆっくりと染めていく。

 リィナの声だ。


――まだ……終わってないよ。


 澄んだ鈴の音のような声が続いた。

 セリアだ。


――お前が……守る未来を、俺たちも守る。


 ガルドの低い声。


――ハルヒ、戻ってきて……。


 ミリアの震えた囁き。


――すべては繋がっている。

 あなたが歩んだ道も、これから歩む道も。


 ユグノアの静かな導き。


――一緒に乗り越えよう。七人で。


 レオンの淡い笑い声。


 それは、かつて共に戦い、共に歌い、共に誓いを交わした仲間たちの声。


 闇が、響きに満たされていく。

 ハルヒの胸に、小さな光が灯った。


(みんな……俺……まだ……)


 その光が──突如、爆ぜる。


 リィナの歌声が、静止した世界に溢れだした。


 これは過去の歌でも未来の歌でもない。

 七人の“誓い”が時を超えて響く、絆の歌。


 グラーデンの静止した影が、かすかに揺らいだ。

「……これは……想定外だな、英雄」


 ハルヒの身体には白銀の光が戻り、瞳に意思が宿った。


「……戻ってきたぜ。

 仲間が……俺の“時間”を呼んだんだ」


 静止した世界に、ひとつ、またひとつと色が戻り始める。

 風が流れ、砂が舞い、空が震え、炎が揺れる。


 時間が、戻ってきた。


 ハルヒは剣を構え、静かに宣言する。


「俺たちの時間は、止まらない。

 過去も未来も——俺たちが選ぶ」


 白銀の光が剣に収束し、仲間たちの残響がそれを包み込む。

 七人の誓いが一つになった瞬間、世界は完全に動き出した。


 グラーデンの瞳が愉悦に細められる。


「ならば、英雄よ……その選んだ未来、見せてみろ!」


 黒炎の槍が、再び戦場に火を灯す。


 白銀と漆黒が、新たな衝突へ向かって加速した。


 



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