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千年時計  作者: ちゃぴ
第1章  第1幕 時を紡ぐ時計 

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--第56話 核心の扉


黒塔六層の最奥、時の渦を抜けた先に、巨大な扉が立ちはだかっていた。

 その扉は漆黒の金属で覆われ、光を吸い込むように闇が渦巻く。

 扉の表面には複雑な紋章が刻まれ、微かに脈打つ光が時間の流れを示している。


 ハルヒは剣を握り直し、刻印を光らせた。

「……ここが核心の入口か」

 リィナも隣で歌声を低く調整し、時間の波動に備える。


 ガルドが渾身の力で拳を握る。

「……どれだけの罠が待っているか分からん……慎重にな」


 ミリアは杖を掲げ、光のバリアを展開する。

「この扉を開けるには、単なる力では足りない。

  七人の絆と、過去の試練で得た“時間との共鳴”が必要よ」


 セリアは弓を構え、周囲の空間を警戒する。

「……魔王アルディエルがここに待っている可能性もある。

  侵入前に、全ての準備を整えましょう」


 ユグノアは冷静に紋章の形状を解析し、低く声を発する。

「扉の紋章は、時間の流れに反応している。

  正しい時間の波動を送り込めば開く可能性がある」


 ハルヒは深く息を吸い込み、刻印と剣を同期させる。

 リィナが静かに歌い、旋律が空間に響き渡る。

 剣の光と歌の波動が扉に共鳴し、黒金の表面に青白い線が走った。


 しかし、扉はすぐには開かない。

 逆光のように光が跳ね返り、七人の周囲に時の歪みが現れる。


 「……やはり、一筋縄ではいかないか」

 ハルヒは額に汗を浮かべ、刻印をさらに強く輝かせる。

「俺たち七人の意志をぶつける――全力で同期しろ!」


 リィナが歌声を高めると、光の旋律が扉の紋章と完全に一致し始める。

 時間の歪みが渦を巻きながら消滅し、扉の中心に巨大な裂け目が生まれた。


 「行くぞ……核心だ!」

 ハルヒが剣を構え、仲間たちに合図を送る。


 七人は一歩ずつ裂け目に踏み出す。

 周囲の空間が一瞬で歪み、光と闇が交錯する中、全員の身体が宙に浮いたような感覚に包まれた。


 裂け目を越えた瞬間――塔の最深部、黒塔の核心が姿を現した。

 そこには、魔王アルディエルの闇に染まった影が待ち受けていた。

 漆黒のオーラが渦巻き、時間そのものをねじ曲げる存在感。


 ミリアが杖を掲げ、光を放つ。

「全員、心をひとつに。ここで、未来を決めるのよ」


 ハルヒは剣先を振り、刻印を光らせる。

 リィナの歌が共鳴し、核心の闇に光と旋律の波動がぶつかる。

 七人の絆――そして第七の英雄の覚悟――が、塔の核心に届こうとしていた。


 アルディエルの闇が揺れ、塔全体が微かに震えた。

 




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