帰郷97
ミィオが死ぬとか何とか……そんなふざけた事を言ったら、フルスイングで顔面をはたいてやろうと思ったが、リミィのクローンが吐いた言葉は、リディの手を動かすものでは無かった。
「ただ……それで、美優に死相が出てると言ったら殴る」
「安心しなさい、他のメンバーも死相は出てないわ……でもね……」
リミィのクローンは、腰を落として椅子に深く座るリディに対して、腰を上げて机に乗り出して顔を近付け、
「変な感じがするの……奇妙な感じ……」
「顔を叩く準備をしといた方が良いか?」
不穏な事を言おうとするリミィのクローンを牽制するかのように、リディは笑いながら右手を上げる。
「準備が無駄になるだけよ。死相とか不吉とか、そういう類では無くて。何かに関与するとかかしら?不思議な感じがするのよね」
「曖昧だな、関与ならもうしてる」
「占いってそういうモノよ。もしも、ドンピシャに当てる事が出来たら、あの子殺されてる」
「はっ、オカルトで助かったよ」
「それなら、オカルトらしく言ってあげるわ。一度回った運命の歯車は、壊れるか、役目を成し遂げる迄、ずっと止まらないものよ」
「覚えておく」
勿体ぶって言われたのがこんな曖昧では、拍子抜けも良い所で、手も出やしない。
「それで、全員連れて来いって事か?」
「そうよ、一人残らず。ここに居るより、そっちの方が良い」
「メインは、そっちが張って貰う」
「それで文句無しだけど、そっちに降りかかった火の粉は、そっちで払って貰うわ」
これで話し合いは終わり、リミィのクローンは体を引くと、そのまま部屋を後にする。
「はぁ……リミィの娘か……」
リミィのクローンの言う通り、ミィオには何かがあるのかもしれない……それならば下手に、この前線基地に籠るよりは良いのかもしれない。
「話に行くか……」
少しの休暇を手にする事が出来るかと思ったが、休みはまだまだ先になるらしい。




