帰郷94
「驚いたよ……まるで生き写しなんだ……」
死んだはずのリミィが前線基地に訪問した時、リミィのクローンだと知らない前線基地の人にとっては、悪い夢に思えた。
「実は、死んだのが嘘だったとか……そんな事を考えてしまう程に、そっくりだったよ……変な言い方だが、ゲーム機は一緒なんだが、カセットが違う……そんな感じを受けて、リミィが死んだというのを受け入れる事が出来たよ」
全てが瓜二つ、顔付も声も体付きも……長年一緒にいたはずなのに、見ただけでは違いが分からなかったが、話を聞いているうちに中身が違うと感じられた。
例え幽霊だとしても、リミィならば喜んで抱きしめたというのに……大切な人と瓜二つという儚い悪夢であった。
「儚い夢を見せられたから、魔女ね」
「あぁ……話を元に戻さないと……ここを拠点にしてRLの巣を叩くという事で、リミィのそっくりさんの事を話さないといけないと思ったんだ」
「気を付かわせたね。まっ、アタシ達は大人しくしてるよ。向こうだって、わざわざこちらを指名するような事は無いさ。変な事に巻き込まれないように、さっさと部屋に行くか」
こっちにはこっちの用事がある、互いに邪魔しないと伝えてはいるのだ、藪蛇を突いている場合ではない、向こうの用事に巻き込まれないように、食堂から逃げ出す。
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「それで……何のつもりだ。コピーさんよ?」
「ふふっ、面白い人ね」
「そっちが、互いに関与しないようにって提案してたのに、関わって来られたら、気を張るのは当たり前だ」
久し振りの自分の部屋に籠って、嵐が過ぎるのを待っていたのに、向こうから部屋の中に入って来られて機嫌が良くなる訳が無い。
「変に話すより、単刀直入に言うわ。あなた達も来なさい、RL狩りに」
「RL狩り?何でそんな事に、アタシ達が付き合わないといけないんだ」
面倒事に巻き込まれないように「協定」を結んだと言っても過言では無いのに、さも自分には、その協定を破る権利があるかのような立ち振る舞い……気に喰わないのは当然。
リミィの始祖だが、クローンだが……人様の親友で、好き勝手やる態度に、いつの日か、その面の皮を剥いで挿げ替えてやると、決心させかねない。
「リナって子はRLH、あなたは私の素体になった人の知り合い……だからかしら?」
「…………分かりました。それなら、自分とリナだけが来れば良いんですね」
リディは不服ではあり、面倒事に巻き込まれたと態度に出しながらも、リナを呼びに部屋を出ようとする。
素直な態度では無いが、素直に応じ……
「ねぇ、あなた本気でそれを言ってる?」
あれ程、余裕を見せていたリミィのクローンが、始めて不機嫌そうな声色を出す。




