帰郷92
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「しばらくは、ここを基準にして行動をしようと思う」
前線基地の人達からの熱烈な歓迎を受け終えた後、リディが食堂を借りてくれて、そこで食事をしながら、全員で話をする。
「凛は、自分の生まれ故郷の場所は、覚えているのか?」
「……はい」
「それなら、地図にポイントしてくれないか」
食事中ではあるが、家族の談笑というのだろうか?
行儀が悪い事は分かっているが、モニター端末をテーブルの上に置いて、凛に目標地点を教えて貰う間にも、芋のおかずを口に頬張っては米を喰い、
「今日はもう日が暮れる、明日から動く事になるから、飯はしっかりと喰っておけ」
「「「はい」」」
「あの、私が住んでいたいのは、この辺りです」
「おっ、どれどれ?」
ミィオ達に、しっかりと英気を養うようにと指示を出していると、凛が自分の住んでいた所を見付けたらしく、モニター端末にピンが立てられている。
「凛の故郷はと……マジか……」
「どうしたんです……これは……」
リディが箸を止めて、モニターに映るポイントを見ている所に、シュライトが横から顔を出して、凛の刺したポイントを見ると、顔を歪めてしまう。
「どうしたんですか?」
二人のただならぬ雰囲気に、美優達の食事の手も止まってしまう。
「勢力図は……変わらないですよね?」
「今も昔も、ここの地域は「向こうの鳥かご」です」
「向こうの鳥かご……?それって……」
鳥かごにいた時にされた話、RLを駆逐した際には、それがそのまま領土となる話……それを覚えていれば、二人の苦渋な表情の理由は簡単に察する事が出来る。
「あの……良くない事ですか?」
「いや、時間が掛かるだけだ。余程ドラゴンに熱心な上に通せば、その付近の探索も出来るだろうさ」
「申請をしますか?」
「この距離位なら、申請無しに行ってもバレやしないだろうが……まっ、上に任せるか」
「そうしたら、食事が終わったら空港基地に連絡をします」
「ご迷惑をお掛けします……」
「謝る事なんて無いのよ、凛ちゃん。だって私、あなたの故郷に行ってみたいの」
「シュライトさん……」
自分が迷惑を掛けていると恐縮する凛に、シュライトは優しく微笑み掛ける。




