帰郷91
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それぞれが、それぞれの思惑で動く中、リナ達はもう一つの故郷へと辿り着く……最も死に近い前線基地に
それは美優とミィオの故郷であり、本当の生まれ故郷。
「美優!!ミィオ!!よく遊びに来た!!」
「こんなに大きくなちゃって……ほんと……みんなの面影があるわ……」
フアニを追われたが、それで帰る場所を失った訳ではなく、それ所か、自分達の面影を無くしたフアニと違って、自分達の事も、自分達に残る父と母の面影に大喜びをして歓迎してくれる。
「アネキ……」
「みんな、お前のほっぺを突いた事があるんだ、大人しく頬の一つや二つ差し出しな」
幼少期の記憶が曖昧なミィオにとって、これだけの見知らぬ人に好意を持たれて接触されては、戸惑う事しか出来無くて、
「あの……こっちが自分の友達でリナッス!!」
「ミィオ!?」
「リナちゃんっていうんだ、可愛いね」
針の筵にされないように、リナを巻き込んで、話の渦中に一緒に沈む。
和気藹々と仲を温めている中で、
「良いですね……帰れる所があるって……」
「凜ちゃん……」
それはリディの考えで、ここなら凜を大型トレーラーの中に残す事も無いだろうと、降ろして貰った凜が、囲まれている三人を見ている。
それは「みんな」に囲まれているから羨ましいのではない……鳥かごへと逃げ出した……帰る場所を無くして……
シュライトは、自分の側に凜を引き寄せると、彼女が感じている寂しさを受けて止めてあげようとする。
自分が幸せに生きて来た中で、このように不幸な目にあっている子がいるというのは分かっていたが、実際に、その姿を目の当たりにすると言葉に出来ない。
せめて、自分の母性の部分で凜を慰めて……
「ほらっ、ここがお前の家だぞ。紹介してやる」
「わっ!?」
「リディ!?よく帰って来た!!」
「ただいま」
しょんぼりしている凜の肩を叩くと、リディの声に気付いて、みんなが駆け寄って来る。
「お前、子供産んだのか!?」
「違うさ、知り合いの子供さんなんだ」
「それを地上に連れて来たのか?」
「察して欲しい」
「そうか……部屋を用意するよ。一番安全な所をな。よろしくな嬢ちゃん」
「はっはい……」
物憂げな雰囲気だった凛であったが、明るさが一気に押し寄せると、先程とは違った戸惑いを見せるのであった。




