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帰郷9

地上で生きるという事は、死が徘徊する世界で生き延びるという事。



死なないように生きるというのは人の生き方では無く、獣の生き方。



そんな生き方を強要される世界にいたからこそ、他人の死を利用してでも、安息の地を望むのは当たり前の話だから「亡くなっている人の情報を改竄したのか」という言葉が癇に障った。



亡くなった人を利用した事を、死を愚弄しているというのなら、亡くなった人を利用したのは、生きるという事に真摯に向き合っていたとも言える。



生きようとする事を否定されたと感じたから凜は、睨み付けて来るリディに対して睨み返す。



「……今のは私の失言だ、すまない。生きる事に必死なのは当たり前の話だ」



一方的な尋問をしていたリディであったが、凜にしてしまった失言に意気消沈すると、カーペットから立ち上がり、



「その子を鳥かごには、置いていけないんだな?」



「火内君から頼まれたんです」



「そうか……彼女も連れて地上に降りよう。それで良いかい?この間の強襲事件があったと言っても、鳥かごは地上よりも安全だけど……良いかな?」



二度の確認をするリディ、凛の言った通り鳥かごのという安全性は、地上とは比べ物にならない程に強固。



今回の件は、明らかに異常であったが故に侵入されてしまったが、それでも鳥かごは安全。



鳥かごから飛び立つという事は、再び死が徘徊する世界へと戻る事になるが、



「あたしの残された家族は、核露さんだけなんです……核露さんが地上にいるなら、探しに行きます」



それでも、家族を探しに地上降りると覚悟を決めている。



「分かった……教えて欲しい事は、リナを通す……今日はこれ位にして、アタシは先に帰るとする」



邪魔をしたと言わんばかりに、リナの部屋から出て行こうとしたリディであったが、



「……そうだった。美優、少し手伝って欲しい事があるんだ。一緒に来てくれ」



「手伝いですか?分かりました」



「だったら、自分も行くッス」



「いや、ミィオは彼女と話をしてくれ。話が出来るのが、リナだけというのは良くないしな」



美優だけを借りてから、そのまま部屋を出て行くのであった。

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