帰郷88
小此木は、自分に甘えて来る娘を優しく撫でる。
「あの子達は無事かな?」
「妹達なら大丈夫……リナのクローンだから、何かあっても生きて帰る……」
ツバメを撫でながら、自分の娘達であるリナクローンズの事を憂う。
リナのクローン達、彼女達はリナの血の力でRLHに近い力を有していて、その力はリナの半分から4分の3位……それでも十分に強いので並大抵の敵なら蹴散らしてくれるだろうが、何か嫌な予感がしてしまう。
本人達には、もしもの時は生きる事を優先して、情報を吐いて良いとは言ってるが、クローンでありながら、完全なるコピーでは無く、本家より能力値が低いという事で、劣等感を覚えている節がある。
今回与えた任務は、リディが作った筋肉のサンプルを奪取する事で、彼女達は通信越しで、必ずこの任務を成功させると息巻いていた。
「四人もいるんだから、心配しないで」
筋肉のサンプルを回収するのなら、鳥かごにいる小此木達が、回収すれば良いではないかと思うかもしれないが、リディは、自分がした事の呵責に耐え切れずに、折角のRLHの筋肉にふさわしい素材を破棄してしまっていた。
あるとすればリディの頭の中なのだろうが、そこから引き出す事は不可能であり、サンプルが唯一あるとすれば、ナナフシに壊滅させられたフアニであった。
ナナフシと呼ばれる人工生物、頭が回る者なら、あれを回収しない訳が無い。
危険を伴う事になるのは分かっているが、それでもサンプル欲しさに、娘達には、フアニに侵入して貰っているのだが……
「……うん、何だか杞憂な気がして来た!!」
何か嫌な予感がしていたが、急に何とかなる気がして来た。
ここに長居している暇は無いと立ち上がり、ツバメの手を握り締めて、
「それじゃあ帰ろっか、僕達の「鳥かご」に」
「うん!!」
小此木とツバメは、自分達の「鳥かご」へと帰還するのであった。




