帰郷84
そしてその素材は、現在のRLHのクローン達に使われている。
フアニで転がっていたナナフシを回収し、分析した結果、これが単なるRLじゃないというのが発覚し、地上は、それを秘匿した。
だが、秘匿したと言っても、その存在に付いてでは無い、自分達が、この夢の素材を知っているという事。
表面的には何も知ら無いフリをして、空から来た者達を手伝って処理を行い、フアニを地上の鳥かご、空の防壁となる要塞を創ったが、極秘でRLHのクローンが、地上の権力者達のよって生み出される。
そして、ナナフシに使われていた筋肉は素晴らしく、RLHもどきに、RLH「並み」の力を与える。
創った者達は、RLHを人工的に生み出したと喜んでいたが、実際は、リディの研究成果に乗っかっているだけでしかないのに……
「それを持って帰って、どうするの?最強のRLHでも、創りたいのかしら?」
この素材が素晴らしいのは、この素材から出来ている自分が太鼓判を押す、このフアニの心臓部と言っても過言では無い一品……だからこそ、これが欲しいと言われて「はい、そうですか」と渡せる物では無い。
「それは……」
「それは?」
このまま大人しくお帰り願う、生きて帰れるのだから文句は無いだろう。
楽しい楽しい会話はこれで幕引き、幕引きの言葉を、最後に彼女の口から出て来るのを待っていると、
「ある人を……生き返らせるためだそうです」
「生き返らせる?」
幕引きをするには、気になる言葉を吐いた。
「生き返らせるだけなら、あなた達の技術を使えば良いじゃない」
リミィのクローンの言う通りで「生き返らせる」だけなら、目の前にリナのクローンがいるのだから、技術的に出来るのは間違い無い。
それに加えて、ここで言うとしたとしたら「この技術を使って、新たなRLHを産む」そういう類の返答をして来ると思ったのに、名指しで「生き返らせたい人」と言うのだ。
「誰を生き返らせるの?」
まるでそれは、亡くした愛しい人を生き返らせる為で、私利私欲と言っても差し支えない考え方であり、
一体誰を生き返らせようかと言うのか、気になって聞いてみると、
「救世主になれるだけの器を持つ者……」
「救世主になれるだけの器……?ふ~ん……」
何とも抽象的な話である。




