帰郷78
視界に映る記憶もまた、戦っている。
逃げ惑う人々の流れに逆らって……恐怖の波を起こしているモノへと向かって行く。
それは自分が敵対している者とは違う、細い影へと立ち向かう。
『きゃはははは!!!!!!』
「ぐっ……!!!!」
記憶の中では、細い影が人に触れるだけで死んで逝く……それに立ち向かうのは絶望的に思えるかもしれないが、記憶の中の人はそれでも恐れない。
触れるだけで死へと誘う『モノ』に、記憶の人はパワードスーツを身に着けず、勇猛果敢に挑む。
『きゃはははは!!!!!!』
「…………」
武器の無い状況で……それは今の自分と一緒なのに、尻尾を巻いて逃げる事も恐れる事無く、真正面から立ち向かい……細い影が触れようとした瞬間……
『きゃはははっ……!!!?』
『ガシィ!!!!』
伸びた細い影を横から掴むと、細い影をへし折った。
『きゃっ!!!?きゃは!!!?』
『メキメキメキメキ!!!!!!!!』
記憶の中の人の真の力は、それなのだろう……RLHとして高い身体能力を備えつつ、さらに筋肉量が凄かったのかもしれない。
記憶の中の人は、細い影を『バキバキ』に、小枝の様にへし折ると、みんなを護る為に駆け出して逝く。
「…………っ!!!!」
『メギメギメギメギメギメギ!!!!!!!!!!』
そして自分は、そんなRLHの遺志を引き継ぐ者……ならば!!!!
『バギン!!!!!!』
『ギャァツ!!!!!!』
まるで車に轢かれたかのような呻き声が響くと、自分を捕食しようとしていた化け物が砕ける。
「……………………」
指を外された瞬間、抵抗する為に顎を掴んだのだが、
(私……護ります……フアニを……ここにいる人達を!!!!)
それはもしかしたら、自分に遺志を受け継いでくれた人が、手助けをしてくれたのかもしれない。
『メキメキ……バギンッ!!!!』
『プキャ!!!?』
顎を破壊した化け物の首を鷲掴みにして、首の骨を破壊し、
『ガシィ!!!!』
『ギャッ!!!?』
今度は、自分の胴に絡み付く化け物の頭を掴むのであった。




