帰郷77
『ボリボリ……』
身体を血で染めながら、喰らい付いた骨を砕く……捕食をしている餓鬼と目が合い、
「…………」
そこで死が間近に迫っているのを実感する。
生き餌しか喰わない……そんなプログラミングがされているのかもしれない。
戦争で死んだ者も食べるというのは疫病を防ぐ、兵糧に困らないという利点があるが、今みたいな、敵を制圧するという状況で、遺体を捕食するというのは、敵を殺すという相反して効率が悪くなる。
だから、あの餓鬼にプログラミングされているのは生き餌を食べて……
『きゃは!!』
「離せ!!!!」
赤ん坊のように小さかった餓鬼が、小学生低学年程に成長している……が、成長し切るには、まだ栄養が足りていない。
『きゃはははは!!!!』
モグラ型のRLを他の餓鬼に譲ると、目が合った自分方へと駆け出して来る。
「このっ!!このっ!!このっ!!」
パワードスーツがあれば、こんな奴等に負けたりしない……現に、パワードスーツを着ていない自分を抑える為に三人掛かりなのだ、一体毎の力はRLHに届いていない。
振り払わなければと、体を芋虫にの様にくねらせようとするが、磔にされていてどうにも出来ない。
『きゃは!!!!』
「……っ!!!?」
飛び付いて自分を喰らおうとする餓鬼を、寸前の所で喉元を掴む。
「くっ…ぐぅ……!!!!」
『きゃっは……!!!!』
右腕一本で餓鬼を喰い止めるが、餓鬼は両腕で、案内人の手を外しに掛かる。
指の隙間に、指をねじ込まれて無理矢理外されていく。
「こんな…こんな所で……」
死が訪れる……せっかく生きる意味を感じたのに……
『きゃはははは!!!!!!』
神に祈る?今度産まれる時は、幸せになれるように?それとも普通の人間になれるように?
「RLHだったら……本当のRLHだったら……」
もしも、自分が本当のRLHだったら……走馬灯を見る事も出来ずに……この世から去……
(生き……て……)
(だ…れ……?)
死が目前に迫り、視界がぼやける案内人に誰かの声が聴こえると、ぼやける視界に「記憶が」映る。




