帰郷76
餓鬼を産めるように、股の所だけ開いているインナーウェアを身に着けている……が、それが戦いに大きな影響力を与えるものでは無い。
こっちの私服と何ら変わらない状態ならば、新世代の力を見せ付けてやるだけ。
『ぎゃははは!!!!』
『ぎゃははは!!!!』
『ぎゃははは!!!!』
「そこっ……」
敵が散開した瞬間を狙って、真正面の化け物を仕留める。
自分の腕を鋭い槍に見立てて、顔面を砕く……モグラ型のRLと違って人間なのだ、分厚い脂肪を持たない、こいつ等は砕ける。
人間の捉える事の出来無い、神速の一撃を……
『ぎゃは!!!!』
「……っ!?」
避ける。
化け物の動きを捉えはしたが、頬を掠めて抜けた。
『ぎゃははは!!!!』
「くっ……!!」
散開したもう一体の化け物が、自分へと狙いを定めている。
振り払うために、馬の様に後ろ蹴りを……
『ぎゃはっ!!』
「ぐはっ……!?」
三体目の化け物が、タックルの低姿勢で足を絡めて取ると、そのままに地面に押し倒される。
瞼を瞬かせるような、ほんの一瞬の出来事のうちに、自分が制圧されてしまった。
化け物は化け物であった……頬を拳が掠めた所から、身体の能力はRLHに劣ると考えれるが……だが人数差にやられた。
人数差という連携で、あっさりと地面に叩き付けられた事にはショックを覚えるのだが、
(まだ……)
三体一、地面に押し倒されるという絶望的な状況にも関わらず、まだ死を感じていない。
化け物の一体は自分の左腕を、もう一体は胴に、最後の一体は足にと絡み付いている……絡み付いているだけなのである。
締め上げたり、体を回転させて筋肉を断絶させたりと、やれる事はあるはずなのに、
『『『ぎゃははは!!!!!!』』』
奇声を上げて笑うだけで、何かをして来る訳では無い。
『ボゴッ!!!!』
『ぎゃはっ!!』
身動きの取れない状況で、残された右拳を振るってみるが力が入らず、胴に絡み付く化け物を殴っても、笑われただけで意味が無い。
「このっ……」
不利な体勢に持ち込まれてしまっているが、それでも無抵抗でいるつもりは無い、体に力を入れて、暴れ馬のように跳ね跳ばそうと……
『バギバギバギバギバギバギ!!!!!!!!』
『ブゥモォォォオォォオォォォオオォオォォ!!!!!!!!!!』
硬い物が砕ける音が響いて、そっちの方に目を向けると、モグラ型のRLの体から顔を突き出す餓鬼と目が合う。




