帰郷72
自分達が何を護り、何を築いて来たのか……それを意識する事をして来なかったが、
「これからは、もう少し「生きて」みよう……」
死んだ時に後悔をしない……この世に未練を残さないように、時が流れるままにしていたが……
「……行こう」
今日という日はまだあるが、これからの事を考えるのに大事に使いたい。
ベンチから立ち上がると、手にしている花束を一瞥して、公園から離れようと……
『ボゴッ……』
「なに?」
公園から立ち去ろうとしたその時だった、公園の地面から花が生えた。
たった一本の茎に、たった一枚の花びら……地面から生えた茎が萎れて、花びらが地面に触れて……
『ボゴゥォ!!!!』
「RL!!!?」
地中から球根が現れるとそれは、丸々と太ったモグラのようなRLであった。
民衆で賑わっていた公園に静寂が訪れる。
軍に務めていた老人は、RLに対して無意識に息を潜めて、地上の鳥かごと呼ばれる場所に住む一般の人達は、初めて見たRLに呆ける事しか出来ない。
『スンスンッ……』
モグラと同じ長い鼻を空に突き付けて、周囲の様子を調べている、何がいるのかを調べている。
『スンスン……フスゥ……』
「動く……」
目は地中を動く為に退化しているが、その鼻は地中の中でも、地上の人間を捉える。
人の臭いを覚えたモグラ型のRLは、臭いのする方へと「ノソノソ」と歩き出し……
『バァァギィ!!!!!!』
鈍重なRLの背後から突っ込むと、案内人はRLの細長い鼻を握り締めて膝蹴りをかまし、けたたましい音を鳴らす。
『グッグゥォ!!!?』
生き物の臭いで気付くはずのRLだったが、案内人の持つ「花」の匂いで、敵が近付いて来ているのに気付けなかった。
『バァチィィィンンン!!!!』
案内人は、掴んだ鼻で鉄棒のように「クルッ」と一回転すると、その勢いのままに足を振り切って、後頭部を蹴り飛ばすが、
(脂肪が厚い……)
地中という冷えた場所で活動する為なのか、モグラ型のRLの脂肪は厚く、RLHの蹴りが効いていない。
『ブゥモォ!!!!』
「その程度……」
モグラ型のRLは土を掘るための強固な、スコップのような手を振って反撃をしてくる。




