帰郷7
ベットの下から聞こえた物音。
それは、何かが居るという事を示唆している。
「下を覗いて平気か?覗いた瞬間に目を潰されるという事は無いか?」
ベットの下に何かが居ると分かっていても、不用意にベットの下を覗いたりしない。
火内が頼んだと言うが、得体の知れない存在には違いない……そんな事は無いと思うが、もしかしたらドラゴンの子供がいるかもしれない、不用意な行為で怪我をするつもりは無い。
ベッドの下から聞こえた物音は、自分に注目が集めっている事に気付いたのか、一切の音を溢さず気配を消している。
「余程、人見知りなんだな」
「大丈夫ッスよ、自分達は火内君の友達スから」
人かどうかは分からないが、既にバレていると本人も分かっているだろうに、それでも頑なに出てこようとしない。
「ちょっと待ってて下さい、凛ちゃん、大丈夫だよ」
ベッドの奥深くに隠れている何かの名前を呼びながら、リナが出て来るように手招きすると、
『ゴソッ…ゴソッゴソッ……』
物音を立てながら、ベッドの下から一人の女の子が出て来て、
「リナさん……」
「みんな、火内君の友達だよ」
すぐにリナの後ろに隠れるのであった。
「火内君の妹……スか?」
「……妹の面倒を見て欲しいって事か?でも、その子を連れて地上に行くのはなぁ……」
ベッドの下から出てきた女の子、この子が火内君の頼み事……もしも、自分の身に何かあった時を考えて、リナに預けて……
「どっちの火内の妹だ……」
「あぅっ……」
単純な考えをすれば、妹を頼まれたで話は終わるのだが、リディの眼光は鋭い。
「アタシは、火内から妹がいるという話は聞かされていないし、核露の方の家族関係も調べているが、あれも一人っ子だ……お前は誰だ?」
話しにも出てこないで、記録上にも存在しない人間、
「いきなり出て来られて妹ですと言われても、こちらも困る」
人間の姿をしていて、人間だというのは理解出来るが、出所が分からない以上は得体の知れない存在でしかない。
もしかしたら、この子供にたばかれている可能性だってある。
「取り敢えず、話を聞いてあげて貰えませんか」
リディの鋭い眼光から凛を隠すように、カーペットの上に座る時に、凜を背中に隠してあげ、
「凛ちゃん、お願い」
「……はい、あたしは火内 靭の妹です……でも、血は繋がっていません。同じ村の出身なんです」
「同じ村?同じ村の出身なのか……」
自分の事に付いて、話をさせてあげるのであった。




