帰郷69
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「それで訪問者はどうだった?」
「何とも……RLHが混ざっていましたけど、小間使いは小間使い。迷子を捜すのに本腰を入れているって感じでしょうか」
「君がそう言うのなら、警戒する必要は無いのかな?」
「向こうのRLHも、何かを感じたんでしょうね。ここから、すぐに出たいと言ってましたから」
「それで、どの位で外へ?」
「今頃、外へ出てますよ。そう手配をしてあげましたから」
「凄いな君は……RLHの中でも、一番の成功体だ」
「お褒めに預かり光栄です」
大型トレーラーから戻ったリディは司令官に、リナ達の事を報告している。
自分が感じた事を伝えるだけで報告となる辺り、彼女が司令官の右腕というのは、伊達では無いらしいが、
「見張りを付けようかと思ったが……今からでは間に合わないか……」
「申し訳ありません、そこまで気を使っておりませんでした。今から手配を……」
「いや、良い。普段の君なら、私が言う前に手配をしている。それをしなかったのは、取るに足らないと、君が無意識に感じたのだろう」
「ありがとうございます」
司令官は彼女を腹心と思っているが、彼女の腹の底を読み切れていないらしい。
リディのクローンが、本当とは違う事を言っているのにも関わらず、司令官は彼女の言葉を鵜呑みにし腹の中に納める。
「他に予定があったのに、お願い事をしてしまってすまなかったね。もう一つの仕事は?」
「もう終わらせてあります」
「それなら、今日は上がりなさい。迷惑を掛けた」
「ありがとうございます。お言葉に甘えて……それでしたら、パワードスーツの点検をしておきます」
「パワードスーツの点検?それは整備の者に任せれば良いんじゃないのかね?」
「自分で点検をしたい……そんな気分なんです」
「……そうか、今日は警備隊に警戒レベルを上げさせよう」
「そんな事をしなくても……って言っても、するんですよね?」
「君の直感は、当たるからね」
「それじゃ、ご自由に……」
わざとらしい言葉に、まんまと引っ掛かる司令官だが、
(ごめんなさいね……でも、あなたも仲間だから、悪いようにはしないわ)
それを小馬鹿にするような真似はしない。




