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帰郷64

「それは彼女だけじゃなくて、クローン人間全員の苦悩だよ。だからみんなで、あの共同墓地を大事にしている。死んだ後に、大事にしてくれる人を自分達で演じている」



「アナタは……気にしないんですか?」



「私?私は気にしていない。だけど、何もしていないって訳じゃない。ちゃんと墓掃除の持ち回りは守っているし、手を抜いて清掃をしたりしていないから、冷血漢と思わないでね」



こんな事を言うのは失礼だし、ナイーブな部分を突くというのは分かっているのだが、あの案内人の苦悩と比べて、リミィのクローン人間は飄々としているのを感じてしまう。



そこには強がりというのを感じる事は無く、悲壮感も無く……「受け入れている」というとそうでも無く……他人事……自分の元になった人がいるというのは理解しているが、自分とは違う人と、ちゃんと分別を付けているというのが正しいのかもしれない。



「それで……その……目的は……」



「目的?それは私の?このフアニの?」



「美優ちゃん、それ以上は……」



「いえ、彼女がここに居るのは、本人が会話をしたいからという願いなので……よろしいですか?」



「もちろん、あなた達とは話をしてみたいと思っていた」



「自分達……とですか?」



「えぇ、そうよ」



クローン人間のリミィ……確かに、自分が知っている母との雰囲気が違う。



美優達の母は、物静かだが活発な人であったが、このクローンのリミィは重鎮というような……威厳というような雰囲気を感じる。



「そうね……それだったらまずは、私の事を話した方が良い」



そう言ってリミィのクローンが、両手をお椀の様にすると、



「火が……」



「これは……」



両の手の中にオレンジの光がユラユラと揺らめく。



それは火……何も無い空間に突然、火が現れて……



「私はエルフ。異世界で生まれて、この世界で今一度、生を受けた者」



「…………あのリディさん…あなたの知っているリミィさんは、魔法が使えたんですか?」



「あいつは……特別だったけど……だからと言って、魔法は使わなかった……」



シュライトとリディは、目の前の光景に化かされているのかと疑うが、



「あなた達は、驚かないんだ?」



「エルフの話は聞いてますから」



「へぇ……それは後で、聞かせて貰おうかしら」



ドラゴンである火内から、エルフの話を聞かされているリナ達は、何とか受け入れる事が出来ている。

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