帰郷62
「…………」
「美優さん!?」
気が抜けた訳では無い、力が抜けてしまった。
膝から崩れ落ちそうになった美優を、リナが後ろから抱き抱え、
「アネキ!!部屋で休もうッス!!」
グッタリとする美優の身を案じて、部屋へと美優を連れて行こうとするが、
「待ってくれ……このままじゃ休もうにも休めない……」
「だけど…………そうッスよね……」
ミィオは、母のクローンだという女性に視線を向ける。
最初の時点で母では無いと気付いたが、それでも目の前の女性は、子供の時に記憶にある母親そのもの。
直感で違う存在だと感じたから、美優程の気持ち悪さを覚えていないが、もしも、自分も「母親が……」と思っていたら、吐いていたかもしれない。
「急な話で済まない……アタシも驚いたんだ……席に座れるなら、順を追って話をしよう」
「はい……」
「それじゃあ、あたしの肩に……」
リナの肩を借りて、席に座る美優の表情は暗い。
自分の中でゆっくりとだが、決着が付き始めていた事が全て台無しになっていく。
大概の話は済んだと思っていたが、こんなどんでん返しをされては、溜まったものでは無い。
美優は盗み見みするように、クローンのリミィの方を「チラッ」と見ると、
「…………」
視線に気付いたリミィのクローンに、イタズラッ子に向けるような、微笑ましい笑顔を見せられて、美優は視線を地面に落としてしまう。
「……それでだな、みんなには後で説明しようと思っていたんだが、パトロールカーの人達を見た時点で、アタシはクローン人間に気付いたんだ」
「最初の時点……スか?」
「あぁ……」
実はリディは、パトロールカーから降りて来た案内人を見た時に、心臓が跳ねた。
このフアニが襲撃された後、調査と言う程では無いが、自分のせいでどれだけの人が死んだのか……どんな状況であったのかを調べた。
「それじゃあ……案内人の人達は……」
「アタシも、単なる人だったら覚えていなかったが、RLHの候補ともなれば話は別だ。嫌でも頭の中に残っていたよ」
前にリディは、死んだ兵士の中にはRLHがいて、戦ったのではと言っていたが、それはフアニの被害を調べた中で辿り着いた事であり、その時に顔写真を見ていた。




