帰郷59
「あの……慰めてくれて、ありがとうござます」
小さい声で、案内人に感謝の気持ちを伝える。
「良いのよ……あなた達のお陰で、私の中のモヤモヤが晴れたから」
案内人は掃除道具を貸し出し、お墓を綺麗にするのを手伝い、みんなと一緒に手を合わせ、そのまま美優達を大型トレーラーに送ろうとしたが、
「それじゃあ今度は、あなたの所のお墓を掃除しましょう」
「私の所?私の所は……平気よ、私が綺麗にしてるから……」
「みんなで、やる事に意味があるんじゃないスか」
「あたし、水を汲んで来ます」
「あたしも行きます」
意図せずに、案内人の所のお墓も掃除する事になった。
時間がある時に掃除をしていていたから、自分のお墓は汚れはしていなかったが、
「ありがとう、きっと喜んでる……それは……」
「あなたが「証明」してくれるんですよね?」
「えぇ」
誰かが想ってくれるというのは、心が晴れやかになるものがある。
「それでは……」
「……ねぇ、待って」
「はい……?」
美優が離れて、アクセルを踏めばそれで任務は終わるのだが、わざわざ案内人の方から呼び止める。
「別次元の人……私達は、そう感じたわ」
「別次元?」
最後に美優と案内人は目を合わせると、真剣な眼差しのまま抽象的な事を言うのだが、
「種として違う……生命が辿り着く……進化して目指す、最後の形の一つ……そんな事を私達は言ってるの」
「それって……」
それを具体的に知っている……普段の美優なら絶対にしないミス……美優は振り返ってリナを見る。
「だから気を付けて……気休めにしかならないけど、軍用車を置いて、あの中を襲撃というのは無いと思うわ……それじゃ」
『トォルルルル…………』
案内人なりの精一杯の情報とエールを送ると、パトロールカーはそのまま行ってしまう。
残された美優達は、全員して大型トレーラーの方を向く。
「あたしが最初に入ります」
「いや……アタシが……」
「RLHなら、この状況で対抗出来るのは、あたしだけです」
「そう…だな……」
案内人の、先程の口ぶりから想像したのはRLH……どんな理由でかは定かでは無いが、RLHが来ている可能性がある。




