帰郷56
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(面倒な事になったな……)
司令官室に案内されたリディは、司令官からの案内の話を適当に聞きながら、話に返事を返す。
「鳥かごから、話は来ているよ。地上で人探しとは、ご苦労な事を頼まれたものだ君達も」
「命令をされれば、それに従わない訳にはいきません」
「はははっ、愚問をしてしまったな。軍人ならば命令は絶対だ」
司令官は、フレンドリーな態度でリミィが地上に来た事を労う。
決して嫌味を言われたり、邪険に扱われている訳では無いのだが、心が込もっていない……頭を垂れて挨拶をしろと言っているのではない、手を交わして握手をしろと言っている訳では無いが……
「それでこれからの事だが、我々のフアニを拠点に活動されるという事で、よろしいですかな?」
ここで本題ともいえる、肝心な質問をされる。
「それなのですが……手筈を整えて貰って恐縮なのですが、我々はあくまでも遊撃ですので……」
「ほぉ……遠慮する事は無いのだよ。君も知っての通りここは準都市、人間が五人増えた所で、この準都市が傾くという事は無いのだよ」
「ありがとうございます」
シュライトが言っていた通り、手筈がされているらしく、フアニを拠点に活動して良いように交渉されている……話は通っているのだから、遠慮する必要は無いのだが、
「こちらの意識の差で、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。私達は探索をしないといけないので、フアニを拠点に活動するというのは、最初から破綻した話です……探索に出て物資が乏しくなったら、補給をさせて頂ければ……それが現実的な話かと思います」
「ふむ……最初と話が違うのは「意識の差」で良いのかね?」
「はい、私達は鳥かごから来ていますが、シュライトさんは、地上の空港基地からの出向です」
「なるほど、だから意識の差か……」
「私達は、彼を見付ける為に探索をしろと言われています。でずが「絶対に見付けて来い」とは言われていません……が、サボっていると思われたら、鳥かごには戻れないでしょう」
「鳥かごに戻る者と、そうではない者の違いか……それでは、本当に補給だけで良いのかね?」
「はい……あぁでも、もし我々も大型トレーラーが破損する等あった場合は……失礼ながら、助けて頂きのですが……」
「任せなさい、不測の事態は起きるものだよ。気が変わったら声を掛けなさい」
司令官は二転三転する話に、きっぷのいい返事をするのであった。




