帰郷49
美優の部屋に来たミィオは、ベッドに寝そべる美優の横に座る。
自分の妹……血が繋がっている妹であり、リミィの血も受け継いでいる少女。
「お墓参り……出来るっㇲね……」
「そうだな……どこかで花を持って行けると良いな……」
「……故郷を無くされたッス」
場所はあっても、自分達が居た痕跡を消されては、そこはもう見知らぬ土地……美優は、失ってしまった故郷に思いを馳せる事しか出来無い。
「気を遣わせて悪りぃな……」
「血の繋がった姉妹じゃないスか……」
同じ父から授かった血が二人の絆であり、
「悪りぃついでにさ……」
「……ッス」
リミィの血を受け継いでいる事が、大切な者にする。
美優は、リミィの血を受け継いでいる少女の手を握る……それは少女に、自分の事を大切にしてくれた人を重ねている。
美優が、ミィオを護ると心に決めているのは、リミィから無償の愛を受けたから……だから今度は、自分が恩返しをしなければならないと決心しているが、
「……フアニに行ったら、二人で散歩出来ると良いな」
「もしかしたら、何か残ってるかもしれないッスもんね」
今は母と娘の様に、二人でゆっくりと時間を過ごすのであった。
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「それじゃ、フアニまで行きましょう」
大型トレーラーの中で一夜を過ごし、朝日が昇って、大型トレーラーのライトに頼らなくても、周囲が見渡せるようになった。
「えぇ、行きましょう……お前達、そんなに緊張しなくて良いんだぞ、戦場に行く訳じゃないんだしな」
腹を括って、フアニへ行く事を決意したリディは、いつもの雰囲気に戻っているが、
「はい……」
美優はまだ、ぎこちない。
表面上は取り繕って、いつも通りと言う雰囲気だが、内面に溜まっている負の感情が、声と共で出てしまう。
「準備万端です!!」
「行きましょうフアニに!!」
「行くッス!!」
それに比べて三人は、美優の分までと言わんばかりに明るく振る舞う。
「そうだな……行こう……」
『ドゥルルルルルルル』
元気を出せない美優ではあるが、三人が自分を労わってくれている事を感じて微笑むと、シュライトはその微笑みが、美優の答えだと察して、エンジンを始動させるであった。




