帰郷4
竹馬の友、子供の時から三人一緒で軍の施設で育ち、ツバメは先に軍学校に行って、その後を小此木と一緒に入学して、それから火内君とミィオと出会って、美優さんが新しい先輩になってくれて……全員が卒業した時には一緒の部隊になって、全てが順風満帆に進むはずだった。
それなのに、火内が行方不明になったのを全員で探しに行けば良いのに、二人は消えた……ずっと一緒で、これからも一緒だったはずなのに……理由も告げずに、消えてしまった。
「リナ……大丈夫スか?」
「……首根っこ押さえて連れ戻す」
「連れ戻すのはそうっスけど、この鳥かごを守る為に戦ったんスから、優しく出迎えて……」
「火内君は優しくだよ……首根っこを押さえるのは、勝手に出て行った二人だって!!!!」
「あ~……小此木とツバメさんスね」
ぷりぷりと怒っている理由に納得すると、ツバメは美優の方に視線を向ける。
消えたツバメの相棒である美優は、肩をすくめてから、
「まぁ、アイツは元から飄々としてたからなぁ……目的があれば、勝手に行動するのは分かっていた……」
「そんな感じの人なんスか?」
「アタシの知っているツバメはな……それにアイツから三文判を叩き付けられて、相棒を解消された訳じゃない……事が終わったら帰って来るか、どこかで会う事もあるって事さ……お前も、永遠のさよならを言われた訳じゃないだろ?」
「……「また」とは置手紙に書いてありました」
「じゃぁ、好きな様にさせてやろうぜ。帰って来たら土産話を聞かせて貰おう」
一度も触れなかったツバメに対して、勝手に消えたのはアイツらしいと笑ってみせるのであった。
「それとは話は別ですが……リディさん、行く当てはあるんですか?」
「行く当てか……貰っている資料は、他の部隊も探索しているだろうしな……そもそも、自分等で探索をして見付けられなかったから、火内の関係者として白羽の矢を立てて来たんだろうな」
話を変えて、リディに今後の話を持ち掛けると、リディは渡された資料に一通り目を通してから、全員に回し読みするようにと、資料を美優に渡す。




