帰郷31
「……行方不明になっている子は、皆さんのお友達というのを聞いています」
全ての説明が終わったと案内人は、リナ達の方に体を向き直して姿勢を正す。
「お偉いさんの子供とか……そんなのは関係無しに、大切なお友達を見付けられる事を祈っています」
「ありがとうございます……大型トレーラーお借りします」
「はい……きっと、皆さんのお役に立ってくれます」
お偉いさんの息子探しに虎の子の大型トレーラーを貸し出さないといけないのだから、悪態の一つも付いても罰は当たらないだろうに、案内人は、このバカげた探索行為に文句を付けないでくれる。
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「それじゃあ行くか……お前達も見ながら覚えてくれよ。いざとなれば、お前達だけでも逃げて貰うからな」
全ての手続き終えて、仕様を頭に叩き込んだリディがまずは運転をしてみる。
大型トレーラーの運転経験は無いが、取り急ぎのシミュレーションで訓練を行い、間に合わせで運転出来るまでは持って来た。
「それは……自分もですよね?」
「体格的な問題はあるにしても、生き残る為だから」
「自分達が生きて帰って来れれば、問題は無いんスけどね」
「まっ、何が起きるか分からないからな……用心に越した事は無いさ」
運転席に座るリディを取り囲むように、リナと凛、ミィオと美優がいる。
みんなして、大型トレーラーの操作を覚えないといけない為に、こうして集まっているのだが、一人だけ浮かない顔をしている者がいる。
顔を青ざめさせて、本当にこれから外に出るのかと、顔を強張らせるその人は……
「御指導、よろしくお願い致します。」
「は…はい……よろしくお願い致します……」
この大型トレーラーを案内してくれた人であった。
案内人には気付けなかった……なぜ自分が、鳥かごから来た人達を案内人させられたのかを。
あの時は、自分がこの大型トレーラーの開発に携わったからだと思い、大型トレーラーを託した後、基地へと戻ったのだが、
「準備は出来ているのか?」
「はい、滞り無く」
「そうか、問題無く顔合わせが出来て良かった」
「顔合わせですか?」
上司に、大型トレーラーの受領が終わった事を伝えているはずなのだが、何かきな臭い臭いがして、顔をしかめると、
「君がメカニックとして乗るなら、鳥かごの人達も安心だろう」
「メカニックとして乗る!?私がですか!?」
そのきな臭い臭いの通りの事が、発覚するのであった。




