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帰郷30

ミィオにとって、鳥かごの襲撃は歯痒い時間であった。



RLのリナは当たり前にしても、アネキとツバメすらもRLHと戦えた……あの中で戦えなかったのは、リディさんと自分だけ……パワードスーツがあれば……パワージャケットさえあればと願ったが、それを手にする前に戦いは終わってしまった。



戦えなかった……後悔とも違うが、自分だけ取り残されている疎外感を覚えてしまうのは、致し方ない事であった。



「これは自分が使って良いッスよね!!!!」



「パワージャケットは二機用意させて貰いましたが、特殊な機体なので、もう一つは修理用のパーツ取りと考えて下さい」



「これさえあればッス……」



「この新型は凄いですよね……パワードスーツが武器を扱う為の補助なら、パワージャケットはそれ単体でRLと戦う為の物……これが量産されれば、RLの駆逐も夢じゃありません」



パワージャケットの特殊性は、あの時にたっぷりと味わっている……パワードスーツとは根本的に違うコンセプト、単体で戦える力を有する人類側の新たな武器。



「見たままですが、ここにはパワージャケットが二機、パワードスーツが四機です。ここの格納庫にはパワードスーツを修理するのに使う機材も資材も取り備えてありますが、必要でしたら寄った基地で補充して下さい」



「そうですね、下手な修理をする位なら、新しいのを貰った方が話は早いですからね」



「後、こんな物も用意してあります」



「バギーですか」



「大型トレーラーはあくまでも移動拠点、どうしても入り込めない場所がありますので、これが活躍するという訳です」



二人乗りの小型の四輪バギー、それが四台も用意されている。



「これに武器とバッテリーを詰め込んで、野営の道具を持ち込めば、行きたい所にどこへでも行けるという算段です」



「お前達、車両の運転は出来るよな?」



「大丈夫ッス、ちゃんと訓練してるッス」



「さすが、軍学校の方ですね。何一つ心配する事はありません」



どこまでも、いたせり尽くせりという大型トレーラー……それを貸し出してくれるのは太っ腹なのか、余程期待されての事なのか、随分と大判振る舞いなものである。

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