表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/32

帰郷22

「アタシが、人を殺す為の生物兵器を創ったのは、リミィ達を鳥かごに連れて来る為だった……だけど、そもそもの話、何でこんなコンペがあったかという話だ」



「コンペがあるって事は、それが求められたって事ですからね」



「地上にいる人間は、いらないって事ですか?」



地上生まれの凜にとっては、面白い話ではない。



地上に生まれたというだけで、生物兵器を差し向けられて殺されかねないのだから。



「それは違う、地上の人達には、繁栄して貰わないといけない理由がある」



「人が住む場所が増えるという事は、それだけRLの住処を奪う事になるからッスよね?」



人が住む場所が増えれば増えるほど、野生動物は住処を失う事になるし、野生動物が増えれば増えるほど、人間の住処は減る。



まるで駒遊びのような話だが、地上に人がいるというのはそこが陣地となり、そこから繁栄が始まる……それは原始の時代からの掟のような話であり、それは現代でも変わらない。



「だったら、何で人を殺す為の生物兵器が必要になるんですか?」



RLから地上を奪還するという人類の悲願を達成する為に、地上を開拓している真っ最中なのだから、人が増え過ぎたという事は無い。



それなのに人を殺す兵器が必要になる理由というのは……



「地上を取り返した時、どこの鳥かごが主導権を握ると思う?」



「主導権……?主導権って何ですか?」



凜は「主導権」という言葉に、目を丸くする。



RLを支配された地上に生きる者達にとっては、そんな言葉等聞くはずも無く、一体何の話をしているのかと……理解出来無いという様子であったが、



「そうですか……そのまま地上を支配した分だけ、領土になるという事ですね」



「そうだ、地上からRLを一掃した時点で、支配している土地がそのまま支配地域になる」



美優は、鳥かごの闇の部分を理解する。



「だって、今言ったじゃないですか……「地上にいる人間はいらない」って事に対して、違うって」



「自分達の所の人間はいるが、他の所の人間はいらないって事だよ」



「……最低」



「そうだ……最低だ……既に住んでいる他の地域の人間を始末するのに、丁度良かったんだよ七節は、パッと見はRLだからな」



地上に生きる人達は、今日という日を必死に生きているのに、鳥かごにいる者達は、地上の人間を地域を取る為の駒としてしか見ていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ