帰郷21
「だったら人間は、どうやって勝ったんスか?対人間用の生物兵器でも、最終的には準都市にいた人達は、七節を撃退してるッス」
「それなんだけどさ……七節は対人間用の生物兵器だけど、RLには有効打になるかと言うと難しいと思うの……」
そこでリナは自分の事を指差す、RLに対抗出来る新人類……RLとRLHはイコール関係が成り立つという事は……
「お母さんはRLHだったんスか……」
ミィオの母親であるリミィが亡くなった後、彼女の活躍に対して多くの人が証言をしている。
リミィが、ヒートソードを何本も搔き集めて単身で影に挑み、影を切っていたと……だけど、残された七節の残骸から考えるに、リミィは一早く七節の弱点を見抜き、ヒートソードの峰の部分で七節を折っていた。
何本も……何本もの七節を折ったリミィであったが、異常な人間がいる事を察した七節は対RL用の動きである徒党を組み、一斉に襲い掛かった……それは、リミィの遺体が穴だらけであった事から察する事が出来る。
単身で影に挑む事が出来るという時点で、普通の人間とは一線を画しているという事は……
「お前達の推測通り、リミィは多分だがRLHだったんだと思う……リミィ達がいなければ、準都市の人間は皆殺しにされていただろうな……」
「他にもRLHがいたんですか?」
「穴だらけになって死んでいる遺体が、幾つか見付かっている……そう考えて差支えは無いだろうな……」
「アタシ以外のRLH……」
もしも……自分もその場に居たら戦っていたのだろう……命尽きるまで戦い、人類の為に……
「それは今度の話にしてな……アタシは、人間を効率良く殺す為の兵器を作る為のコンペの為に、七節を創ったんだ」
「話を脱線させて、ごめんなさい……」
「いや、謝らなくても大丈夫だ……そもそも、褒められるような真似をした訳じゃないからな……それじゃあ、話を続けるぞ」
リナにとってはRLHの話は大きな話であるのだが、今の話の主題は、人を殺す為の七節を何故創ったのかと言う話に戻すのであった。




