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帰郷20

その動きは、リナの言った事を全員の頭の中に想像させるのに十分であった。



七節がミンクを突き刺しても即死には至らず、逆に突き刺した腕をへし折られる……一対一では勝てない、複数で相手をしないといけない……それは物量差で何とかなるが、RLの繁殖力だって尋常ではないし、RLは学習をする。



最初は良いかもしれないが、七節に対する戦い方を学習されたら、七節はお役御免になるだろう。



「でも……ッス……どんな兵器も最後には取り残されるッス……」



それはそう……という話なのだが、最初の時点で、RLに対して有効打を与えられるか疑問符が出る時点で、この生物兵器が、よくコンペを通ったものだと思わざるを得ないのだが、



「いや……七節は間違い無く、コンペを通過するだけの兵器だよ……」



美優もある事に気付いて、リディに視線を向けて……



「私は……そこまでしてでも、自分達を鳥かごに連れて来ようとしてくれたんだと思います……」



本当に、この話を続けるのかと目配せるをすると、



「……そのつもりだ、それで美優も気付いたんだろ」



「えぇ……七節の戦果は、凄まじいものになりましたから……」



リディはそれを含めて喋って良いと、美優に視線を返す。



「アネキ……七節の戦果って?どこで……」



七節の事を見たのは子供の時で、正体を知ったのは今で……どこに七節の戦果を知る余地があるのかと、ミィオは不思議がったが……



「七節はRLに対しては微妙な働きしか出来ないが……人間には十分な脅威だったろ?」



「人間……に…は……?」



七節が上げた戦果が人間に対してと聞かされた瞬間、体が固まる。



「リナが言った通り、細い体はRLに対しては貧弱過ぎるが、人間に対しては十分だ。人間の反応では七節の突きはほぼ躱せない、銃を使うにしても細長い体に弾丸を当てるのは至難を極める……接近戦挑むにはあまりにも危険で、遠くから殺そうとしても、爆発するような広範囲な特定の武器しか効果が出ない、その体の細さが武器になる」



七節がコンペを通った理由が良く分かる……人間という獣としては、最弱の部類に入る生物を殺すのには、これ程適した生物兵器は存在しない。

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