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帰郷19

「「「………………」」」



個室の中が冷え固まる唐突な宣言。



ミィオと美優の母親が死んだという事実……多くの人達が七節の手によって屠られてしまったというのに、今の発言は自分さえいれば、どうとでも出来たと言っているのに等しく、ミィオと美優に命を捧げた母親を侮辱していると捉われかねない発言は、二人の事を無言にさせてしまうが、



「どうしてそう思うんだ?」



リミィを家族だと思っているリディだが、リナの不躾な発言に声を荒げる事無く、リナが何を感じ取ったのか聞く。



「自分が何を言っているのかは分かっています……でも、七節のコンセプトは対RLじゃないですよね?」



リナも、自分が何を言っているの分かっているらしいが、それでも七節のコンセプトに抱いた疑問を聞かざるを得なかった。



「対RLじゃない……?どういう事だそれは?」



美優達を襲ったあの七節は、間違い無く脅威であり、RLと戦うには十分な力を持っているのは体感して……



「ミンクと七節がやりあったら、七節は数によって互角か負けると思うんです」



「それは……それは…………」



「それは」その後の言葉が続かない。



目を潰されたショック、母親が死んだ事の絶望、街中に広がる人の死体……多くの人達が死んだ……



それが恐ろしい記憶になって、今まで深く考えようとしなかったが……改めて言われると、何か違和感を感じる。



「でも、自分覚えてるッス……街のあちらこちらで血が飛び散ってたスけど……それでも影の死体が、散らばっていたッス……」



街にはへし折られたり、くの字に曲がった影が落ちていたのを覚えている。



「人類がRLに苦戦したのは高い身体能力でしょ?申し訳無いけどアタシね、剣道やフェンシングの突きを避けられるの……別の言い方すれば普通の猫ですら、蛇の噛み付いて来るのを近距離で躱せるでしょ……多分だけどミンクも完全には躱せないかもしれなしけど、それでも致命傷を避けると思うの」



そう言うとリナは、右手の指先を伸ばして銛に見立てて、自分の左腕を刺し、



「致命傷にならないという事は、こうなると思うの」



『ストン!!!!』



左手を手刀にすると、腕に刺さる銛をそのままへし折るかのように、はたくのであった。

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