帰郷17
「そうか……そう言って貰えるのは救われるよ……」
胸のつっかえの全てが取れた訳では無いが、それでも、自分がしでかした事を話す事が出来る。
「アタシは鳥かごに戻った後、あるコンペに参加したんだ」
「コンペ……?それは新しい兵器を作るって事スか?」
「そうだ……新しい兵器を作って、それが採用されれば、準都市に住んでいるリミィ達を鳥かごに連れて来れるはずだったんだ……」
生物兵器を創ったという話を聞けば、そのコンペが何なのかは容易に想像が付くし、リディもそれを肯定する。
「アタシは出されたお題を達成する為に、七節という生物兵器を創った……自分でも言うのも変だが、あれは完璧な生物兵器だった……実際、いくつか用意された兵器の中で採用までいった……最後の試験運用さえ通れば、リミィ達を鳥かごに連れて行く事が出来たのに……」
「……手柄を奪われたんスか?」
「その手柄を奪う為に、アタシが創った七節を実戦投入する為に移送されたんだ」
「……あの日、落ちて来たのはその移送された七節だったんスね」
そこでリディは頷いて溜息を吐く……これから話す事が、リディのとっての最悪の話になるからであろう。
「七節は、虫のナナフシをコンセプトに創った生物兵器だ。細長い鉄の棒のような生物だ」
「あれは見間違いじゃなかったんスか……ずっと、子供の時のトラウマで、細長い影だと思っていたスけど」
「……細長い体によって、輸送機に満載すれば何百、何千という七節を運ぶ事が出来る。それに細長い体のお陰で、攻撃からの被弾も抑える事が出来るし、電柱や……何なら壁に張り付けば単なる鉄の棒だからカモフラージュも出来る」
「そうなんスね……」
あの日、生き残った後に街で見掛けた人の死体の中には、パワードスーツを着た兵士達の死体も転がっていた。
「タガメのように腕を突き出して、パワードスーツを貫いて殺す……全てのバランスが高水準に纏められた生物兵器だった……」
特徴的だった、パワードスーツに空いた穴は、七節が細長い鉄の腕を突き出した事によって出来た物であり、
「アネキの目……」
そこで、アネキの右目が機械だと思い出して「ハッ」と目線を向けてしまうと、
「そうだ、アタシの目が潰されたのは、七節の突きが目に刺さったからだ」
アネキは、自分の機械の目を「トントン」と叩く。




