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帰郷16

ミィオに話せなかった真実……何故話せなかったのかと言うと、ミィオがリミィの娘であったから。



リディは鳥かご生まれであったが、リミィは地上生まれだった。



空と地で生まれた二人には、文字通りの天と地の差があり、普通なら二人が出会う事は無かったはずなのだが、リディが親に対して反抗的な態度を取っており、それに業を煮やした親が、リディの手綱を握る為に、地上の前線基地に送り出したのが二人の出会いであった。



最初の頃の二人は、同い年でありながら、あまり仲の良い関係では無く、話も行動も嚙み合おうとしなかった事で、お互いのいざこざでフラストレーションが溜まり、



「………………………………お前!!!!!!!!ぶっ殺す!!!!!!!!」



物静かだったリミィがブチ切れて、パワードスーツを持ち出し、



「やれるものならやってみろよ!!!!!!このダボがぁぁぁぁぁぁあぁあ!!!!!!」



感情の起伏が激しかったリディの感情が、怒りに完全に振り切って、自作していた兵器を持ち出して、基地を大騒ぎにさせる程の喧嘩をしてから、二人は互いを理解するようになっていった。



それから前線基地で年を重ねてリディとリミィは家族となり、



「わりぃ……鳥かごに帰らないといけなくなったんだ……」



「またね……もう地上に来たらダメだよ……」



「必ず……必ず、お前達を鳥かごに住めるようにするから!!!!!!」



お腹にミィオを宿したリミィを置いて、鳥かごに帰って来てしまった。



血の繋がりが無くても大切な家族であったリミィ……そのリミィが死ぬ原因を作り、ミィオを母無き子にしてしまった罪悪感から、今まで逃げ出していたが、リミィが死んだ場所へと行くのなら、清算しないといけない。



「………………何かあったんㇲね?」



初めて聞かされた事に、ミィオの瞳は猫のように大きく丸くなったが、それでも取り乱す事無く目を細める。



それはまるで、予想していた事を聞かされて、少し驚いたというような雰囲気であった。



「……良いのか?アタシに恨み事をぶつけなくて……」



「……アネキが、リディさんを庇っているのは赦しているからッス……それに自分にとって、お母さんはアネキスから…………自分の思っている事を言葉にするのは、難しいッス……でも、これだけは言えるッス、リディさんの事は好きッス」



ミィオは自分の感情をどう表現したら良いのか、言葉にする事が出来ないがそれでも、真実を教えられても、リディに対して憎悪の感情は沸いてこない事だけは、間違いなく伝える。

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