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帰郷15

少し空気が淀む個室で、快適な空の旅をする。



普通の兵士達は、普通の飛行機のような横並びの座席に座っている中で、個室を与えられたリディ達は優雅に空を降りる。



このまま何も無ければ、何もしなければ、少し空気が淀む程度で、快適な空の旅をする事が出来る。



みんなで他愛の無い話をして、これからする事の確認する……そんな当たり前の話をしている中で、



「あの……美優さんに聞きたい事があるんですが」



「アタシにか?なんだ?」



珍しくともいうのも変だが、凛が美優に話し掛ける。



凛の事はリナとミィオに任せていたから、自分を名指しで声を掛けて来るとは思っていなかったが、それでも邪険にする必要は無い、一体どんな話をされるのかと耳を貸すが、



「美優さんは御存じなんですよね「何か」を……「何か」って何なんですか?」



「……ミィオ、お前どこまで喋った?」



「自分が見た事だけッス……細長い影が襲って来た……それだけッス」



「……そうか」



「何か」の話をされた途端に美優の表情が凍り付く、それは嫌な話をされたという内心を隠し切れずに表情に出てしまった。



「すまないがミィオから聞いた事が全てだ……あの日、黒い影が襲って来た……それしかアタシも覚えてない」



「……すみません」



「謝る事は無いさ……ただ、聞かないで欲しい事だってのは覚えていて欲しい」



その「何か」は自分の中で消化はしている……だが、その「何か」を消化し切れていない……



「その「何か」は、アタシが創った生物兵器で、名称は七節だ」



「リディさん!!!!」



消化し切れていないリディを庇う為に、美優はこの話を切り上げようとしたが、当の本人が口を開いてしまう。



「良いんだ美優……これは自分が働いた悪事を懺悔する為でもなければ、良心の呵責に耐え切れないから話すんじゃない……知っておいた方が良い話だからする」



「……分かりました」



リディは全員に、これから大事な話をすると目くばせをしてから、ミィオに目を合わて、



「ミィオ……お前達が住んでいたフアニを、壊滅に追い込んだ生物兵器を創ったのは私だ」



長年、ミィオに黙っていた事を告白する。


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