帰郷100
彼女は気付いていないが、彼女もまたリディの魂の欠片を受け継いでいて……
「注意してあげた方が良かったかしら……」
「どうしましたか?」
「興奮した気持ちが溢れちゃった」
「リミィさんでも、そんな事があるんですか?」
「私だって、人間だもの」
「失礼致しました」
「良いのよ」
興奮して漏らした気持ちを隣にいる、今日から自分の右腕としての立場を与えた人物、あの案内人に聞かれる。
RLHとして覚醒した案内人は、あの後、多くのRLを始末して回っていた所で、
「これからは、私の命令に従いなさい」
リミィのクローンに声を掛けられ、その言葉で、案内人が一つ上の次元に辿り着いた事を認められた。
「あなたは興奮しないの?」
「自分は……RLHの遺志を受け継ぐ者として、フアニを護るのが任務ですから」
「そう興奮しているって事ね」
「いえ自分は……」
「使命と、自分の意思とでは違う。あなたはフアニを襲った者達を許せない……そうでしょ」
「……フアニを燃やそうとした火の元を消すだけです」
「えぇ消滅させてやりましょう」
『リミィ隊長、間も無く到着します』
「それじゃ、見物客はここで待機して貰って」
『了解です』
案内人の感情を使って、自分の心の内を感情を隠した所で、RLに占拠された基地に迫るのであった。
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「作戦の方は、どうなっているんだろうな?」
「フアニといっても、RL相手じゃ無事では済まないだろ」
基地で検問を行っている兵士達は、作戦を開始してから物々しくなっている、重々しい基地の雰囲気に押し潰されないようにと、会話をして誤魔化すのだが、早く今日という日が終わって欲しいと願ってしまう。
フアニがある事によって、周辺の支配地域は完全に向こうに取られている、そこで、フアニにダメージを与える事で、周辺の勢力図を変えようというのが今回の作戦らしい。
「もしも、向こうにこちらの作戦がバレたら大事だな」
「……復讐されても文句は言えないな」
とは言っても、内心ではRLを使っての作戦だと知っている、万が一失敗してもRLのせいに出来ると分かっているが……不安を覚えて仕方ない。
作戦が成功しようとも失敗しようとも、無事に事が終われれば……
『『『ブゥゥゥゥゥ…………』』』
「何だ?遠くからトラックが走って来る」
「今日は、搬入があったか?」
「いや、作戦の為に周辺の基地には一切立ち入らないようにと連絡している」
「……とにかく防衛隊を呼べ、俺が行って来る」
予定の無い訪問者、小型のバギーに乗り込むと、一人でトラック群へと向かう。
『チカッチカッ』
接近して来るトラックに対して、こちらが警戒している事を示す為に、ヘッドライトをパッシングさせるのだが、
『『『ブゥゥゥゥゥ…………』』』
接近して来る車両からは、一切の合図が返って来ない。




