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赤信号 みんなで渡れば 怖くない

「おやおやぁ死んでしまうとは情けない!まさか髪が青いだけじゃなくて血まで青いなんてタコじゃなくてイカじゃないか!なんかトイレの消臭剤みたいな色してるわーキモー」


呆然となっていた私の意識は返り血と足下の生ぬるい血だまりによって引き戻された。青くんが死んだ?信じられない。


「ごめんね怖い思いさせて、あなたはいつも通りの普通の日常に戻ると良いよ。安心して、ちゃんと記憶は消してあげるから。」 


造花は人格が変わったのかと思うほど優しく言うのがとても不気味で一瞬良い人のように見えたので逆に余計怖くなった。


「記憶を消すってなんで」


「だって怖かったでしょう、タコを出す変な男によく分からない事を言われて人が死ぬところを見るなんてトラウマ物だよ。」


「い、いや大丈夫・・です。」


そう言っても造花は聞く耳を持たずに


「うんうんうんうん、やっぱり怖かったよね。でも大丈夫!記憶を消してあげるからさ。君は明日から同じように平凡で退屈でいつも通りの再放送みたいな日常を過ごせばいいよ。そうしてくれると私もとても嬉しい」


そう言って私の頭を触ろうと近づいて来た掌がとても恐ろしい物に見えて思わず私は目を瞑った。


轟音、続いて何かの粘着質な音が耳に届き私は目を開いた。目の前にいたみぞれは廊下の奥の壁にめり込んでいた。


「心臓を潰したくらいで勝った気になりやがって。こんなの給料の割に合わないよ」


「青くん、!生きてたの!?」

嬉しいけどなんで生きてるんだろう、さっき心臓を貫かれてたのに。


「心臓を潰されても生きてるなんてタコよりもゴキブリの方がお似合いですよー」


思いっきり吹っ飛ばされても造花はまだ揶揄う余裕があるみたいだった。


「そんなことないよ。タコは凄くってね心臓が三個あるんだよ。だから僕も心臓が一個無くなったって残り二個があるから死なないよ。ゴキブリだなんてそれを言うなら殺す勢いで殴ったのに腕一本で済んでいる君の方がお似合いだと思うけどね」


確かに造花の体をよく見ると右腕が無くなってそこから血がドバドバ流れている。


「タコと君の関係性が気になるけど、今は聞かないでおくよ。それに腕一本無くなったなんて私にとっては紙で指を切った程度でしかないよ。全ての物に替えが効くのがこの世の法則だよ」


そう言った瞬間私の後ろから丸い筒のようなものが飛んで来た。ぶつかると思って咄嗟に目を瞑ったけどそれがぶつかることはなかった。


「いきなり後ろから不意打ちしようとするとかカッコ悪いと思わないの?」


青くんが私を引っ張ってくれたおかげで丸い筒のような何かは私にぶつからずにみぞれの方へ向かって行った。


「カッコ悪い?そんなの君が言えることじゃないよ、一応弁明させてもらうとすれば私はただ自分の代わりの腕を持って来させただけさ、そしてその進行ルートにたまたまその子がいただけだよ」


造花は足下に落ちた腕をを拾い上げて自分のちぎれた腕の断面にくっつけてようとしているみたいだった。


「あれ?合わないなー」


ぐりぐり、ぐりぐりとペットボトルのキャップをはめるように腕を付けようとするたびに腕から血が吹き出していっているのがとても悍ましくて見ていられなかった。


「お、やっとくっついたよ。ちょっとグロかったかな。けど残念だねータコの君はカッコ悪い不意打ちまでして腕を取ったのにもう治っちゃった。無駄な努力さまさまだね。けど腕が取られたのはとても痛かったなぁ泣いちゃいそうになったよもう戦いたくないよ」


よよよと泣くふりをした後に造花はこう続けた。


「だから他の人の手を借りることにしたよ。赤信号 

みんなで渡れば 怖くない って感じ。使い方合ってるかな?」


その瞬間教室の扉が開き、百二十人ほどの人達が廊下に出てきた。


「え?なんで、なんでここに居るの!?」


私が驚いたのは人が夜中にいたことでもたくさんの人が出てきたことに対してではない。廊下から出てきた人の中に見知った顔がいくつもあったからだ。そこには私のクラスの先生や顔見知り程度のクラスメイトたちそして私の唯一の親友のみっちゃんもそこにはいた。


「鬼ごっこしましょう。鬼は君達二人以外、時間は無制限君達が私を殺すか殺されるか、じゃあ」


よーいどん


それが合図となり見知った人もそうでない人も私達に向かって走ってきた。


命懸けの鬼ごっこの始まりだった。


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