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タコに会った日

「ん、あれ?」

私は誰?とまではいかないが私はこの路地裏にどうやって来たのか全く覚えていない。不思議なことに初めて訪れたはずの路地裏に何故か見覚えがあった。


取り敢えず大通りに戻ろうとしたところ近くで何か液体が滴る音が聞こえ、それが無性に気になって音が聞こえる方に行って見る。

ひょこっと顔を出してみるとそこにはタコの触手?のようなものが男の子の傘から生えているのがみえた。どうやら液体が滴る音というの触手が纏っている液体が落ちている音みたいだ。


 私はようやく見覚えがあった理由に気がついた。

この光景を今日、夢で見たから見覚えがあったんだ。あの私が殺される悍ましい夢。

私は理由は分からないが、夢と同じように殺される気がした。

ここから逃げようとした私の足を止めさせたのは一種の予感、といよりも確信だろう。夢では逃げ切れなくて殺された。所詮夢だと言われればそれまでだが私はその確信を無視することはできなかった。

パニックになった気持ちを落ち着かせながら、生き延びる方法を考える。

 うん。うん。うん。無いな。いや完全に無いわけではなくて一応三個ほど案は浮かんでいる、のだが。


一、 命乞い 多分命乞いをする前に殺されるだろうよって却下。


ニ、 少年を倒す ちなみに私はもちろん戦闘経験なし。勝てる可能性ゼロなため却下。


三、 ここで身を隠す。 つまり何もしない。

悲しいことに三が一番マシだ。死ぬ間際だと言うのに私の脳はいつも通り使えないらしい。返品して最新型に替えて欲しいもんだ。


 

 


 どのくらい時間が経ったんだろうか。一時間かもしれないし数分かもしれない。

それから少しして曲がり角から感じていた不気味な気配が遠ざかって行くの感じた。

意を決して曲がり角を覗いて見るとやはり少年はもう居なくなっていた。


「はぁ〜〜〜〜〜〜危なかった。うわっ」

私は安心からか尻もちをついてしまう。普段なら気にするスカートの汚れも今は全然気にならなかった。


「そんなところで何してるの?」


ハッとして後ろを振り返ると自分の真後ろに少年が立っていた。

さっき遠ざかったはずじゃないのか。いや遠ざかったのは確かだ。だとするなら少年は遠ざかってからわざわざ回り道をしてまで私の下まで来たと言うことになる。夢と同じで結局殺されるのか。

 


「安心していいよ僕はもう君を殺す気はないから」


「は?どういう意味?」


少年は唐突に意味の分からないことを言ってくる。言ってる意味はよく分からないが殺す気はないみたいだ。確かに殺意みたいなものは感じないし殺されると思ったのは私の勘違いだったのかもしれない。


「十七回、これが何を意味してると思う?」


なんだろう全然意味が分からない。取り敢えず頭に浮かんだことを言っておこう。

「十七回忌?」


「ブブー、正解は僕が君を殺した回数だよ」


ですよね。私もなんでそれが出て来たのか不思議です。言った瞬間にミスったーって思いましたもん。


「僕は君を十七回殺しているんだ。文字通りにね。けど十八回目今回は君を殺す気はないんだ。だから警戒しなくて良いよ。あと、質問は受け付けないよめんどくさいからね」


少年は髪をいじるみたいに触手をいじいじしている。意外と触手は少年とマッチしていて二対一体のように感じられた。



「君ってさ神様って信じる?」


「初詣の時だけ信じるよ。あと試験の日とか」


「実はね、実はね!神様って本当に実在しているんだよ!」


いきなりテンションが高くなった少年はそのときだけは年相応にはしゃいでいるように感じた。私はいきなりテンションが上がった少年の話についていけずに気の利いた返しもできなかった。


「しかもしかも今君の目の前にいるんだよ!」


「もしかして君が神様なの?」


そういう聞くと少年は一気にテンションが低くなり

触手の方を指差しながら


「全然違うよ、僕じゃなくてこっち」


そう言われると同時に触手は私に向かって手を振って来た。結構気さくな触手なんだな。仲良くなれそうだ。


「僕に付いているこの触手は神様の一部なんだよね多分君にもどっかにくっついてると思うよ。そうじゃないと生き返ってるのに説明つかないからね

ねぇなんか神様っぽいのに会ったとかそう言う経験ない?神秘的なものに会ったくらいのアバウトな感じでいいからさ」


「そんな経験はないね。あったら絶対覚えているし」


あんな気持ち悪いのが神様とかちょっと信じられないな。口に出したら怒られそうだからなんも言わないけど。


「忘れてるだけじゃない?僕に殺されたことも忘れてるしきっとそうだよ」


うんうん絶対そうだそうに違いないと私が反論する前に勝手に納得してしまった。こいつ絶対コミュ障だろとは心の中だけにとどめておこう。


「自己紹介は別にいいか、必要なさそうだし、めんどくさいし。ちなみに最近この町に来たんだ」


「じゃあ髪の毛青だから青くんね」


我ながら良い名前だと思う。小学校の友達にもいたし。青くんに似合っているだろう。


「ちょっとこれは青じゃないよ!ちゃんと見てよこれは綺麗な5B7E91の舛花色だってことくらいわかるでしょ!分かった嫉妬してるんだろ自分がどこにでもいる黒髪ストレートだからって!」


ますはな色!?なんだその色初めて聞いた!

しかも自分のカラーコード覚えてるとかどんだけ自分の髪が好きなんだ。というか大体の高校生は黒髪でしょ!黒以外だと校則違反になるでしょうが。


「乾いてない絵の具に埃が入ったみたいな色が舛花色っていうのか!」

 

「よし分かった今すぐ殺してやるこれでお前が死んだ回数は十八回目になるぞ良かったな!」


「あはは冗談ですよーところでなんでこの街に来たんですかー?」


「ん?それはこの街に邪神の気配がしたから来たんだよ。まぁそれは君だったから良かったとして狂気度が3だったから下っ端の僕が来たんだよ」


よし。殺されないで済んで良かった。でも邪神?狂気度?またよく分からない用語が出て来て疲れる。新作のソシャゲもやっている気分だ。


「それでなんで私を殺したの?後なんで今になって殺す気がなくなったの?」


「それはね狂気度が4になると化け物になって自我を失って暴れ出すから今のうちに殺しとこうと思ったんだけど君についてる邪神がめんどくさい性質を持ってるせいで殺せないから懐柔することにしたんだよ。要するに大変だから無理ってことね」


青くんはこっちがその知識を持っている前提で話してくるから全く話に付いていけない。まずチュートリアルから始めて欲しい。


「狂気度って何?」


「狂気度って言うのは脅威度とも言ってどんくらいそいつがどのくらいイカれてるのか、どのくらい被害を及ぼすのかって言うのを段階で表したものだね」

おぉーいきなり説明口調になってくれたおかげでわかりやすかったよありがと。


「今確認されてる段階は一から十三くらいだよそれぞれ説明してあげよう」


とホワイトボードに次々書いていった。待った今どこからホワイトボードを出した?なんかネバネバしたものがついてるしこれは聞かない方がいい気がする。

段階一 自覚  対象の思想に異常な執着などの多少の変化が見られるようになる。


「ふむふむ」


段階ニ 変質 体の一部に変化が見られる。この変化には対象の執着してるものに対応するものが現れる。また執着してるものと邪神には関連していると思われる。周りの人間の認識を歪ませることにより違和感を感じない。


「へー」


段階三 置換 全身が執着しているものに置換される。周りのの人間は違和感を感じない。またこの時から自分に対してのみ邪神由来の特殊な能力を使うことができるようになる。


「まだあるの?」


段階四 侵食 対象は自分から周囲に変わり親族や友人など近しい者から順に置換症状が見られるようになり「ちょっと待ってちょっと待って!」


「何さここからが良いところなのに」


「流石に長すぎて全然覚えれないし理解できないよ!」


青くんはまだまだ言い足りない感じを出しているが私はもういっぱいいっぱいだ。というか青くんが今言ったこと全部良く分からなかったし、ぶっちゃけ途中から飽きてよく聞いてない。


「分かったよ。まだ消失とか再誕とかあったのにな。ちなみに今言ったこと全部本当だよ。でも残念なことにこの狂気度を表す段階は全然当てになんないんだよね。基準がこれってだけで基準以上の人も基準以下の人もいるわけだしね。あれ?これある意味なくない?」


私もそう思ったがそれを青くんが言っちゃダメだろう。結局この基準は全然当てになんないなんて、誰が作ったんだか。しかもこのガバガバな基準のせいで私が殺されたなんて制作者にも会うことがあったら文句の一つでも言いたい気分だ。


「ちなみに十三段階まで行ったらどうなるの」


話を中断させておいてなんだが一番上がどんな感じなのかは気になる。


「しらね」


知らないんだ。もしかしたら青くんは結構下っ端なのかもしれない。いや多分そうだろう。


「ちなみに私を殺しにきたって言ってたけど私は今どこらへんにいるの?」


ゲームのレベルみたいで高い方が嬉しいな。もしかしたらめっちゃ凄いのかもしれない。


「多分『三』だけどほぼ『一』」


ワクワクしていた私を待っていたのは残酷な真実だった。それってニじゃないのかとも思ったが中途半端なのは結構好きなので納得しておこう。


「君を元に戻す方法があるんだけど聞きたい?」


「聞きたい」


「ざっくり言うと今の君には自分の命よりも世界よりも大事な物か者があるんだよ。それをこの街中から探し出してぶっ壊せば解決するよ。けどこれが面倒でねー。殺しちゃう方が楽なんだよねー」


最後に言っていたことは聞かなかったことにしよう。楽だから人を殺すとか青くんの心は血で赤く染まっているのかもしれない。今後は赤くんと呼ぼうかな。   やめとこ


「つまりこれからやることは宝探しってこと。できれば今年中に終わらせたいから頑張ろう。」



「今年中つまりあと五ヶ月か。一週間で終わらせたいな」


だからさ。と言って青くんはこう続ける。


「デートしてみない?行きたいところでもある?」



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