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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

生存者シリース Ⅰ Ⅳ

生存者Ⅰ 正夢


昼飯は素麺に決め鍋に水を入れようと蛇口に手を伸ばしたとき、少しでも風を入れようと開けていた窓の外から女性の悲鳴が聞こえて来る。


「ギャアァァァー! 痛いー助けてー!」


鍋を放り出しベランダから悲鳴が聞こえた方に目を向けた。


隣の女子高の裏門付近で女子校の制服姿の女の子が仰向けに倒れ、白いジャージを着た男が女の子の腹の上に乗り首筋に顔を埋めている。


昼間っからなんちゅー事をしてるんだ? と羨ましいと思いながらも、俺はTシャツにトランクスという格好のまま玄関脇に置いてある木刀を手に取り外に駆け出した。


女子高の裏門から中に入り女の子の腹の上に乗り首筋に顔を埋めている、羨ましいじゃなくてけしからん事をしている男の背を木刀で強めに突き罵声を浴びせる。


「オイ! クソ野郎、昼間、それも学校の門の前で何をやっているんだ? 


サッサと女の子の身体の上から退け!」


可也強く背中を木刀で突いたのに男は顔を上げようともせず、女の子の首筋に顔を埋め口を動かし続けていた。


だから女の子の首と男の顔の間に木刀を差し込み力を込めて後ろに引く。


引いたことによって男は女の子の首筋から離れる。


男の口には女の子の首筋の肉が咥えられていて引き千切りながらだったけど。


男は引き千切った肉を咀嚼し飲み込む。


女の子の首筋からは血が吹き出ていた。


女の子の肉を飲み込んだ男は俺の方を向く。


男は青白い顔をしていて白いジャージの胸元は女の子の血で真っ赤に染まっている。


肉を飲み込んだ男は立ち上がり俺に掴み掛かって来た。


な、なんだこいつは、化け物か?


俺は木刀で男の肩を殴る。


結構力を込めて殴ったのに痛がる素振りも見せず掴み掛かって来る事を止めない。


怖くなった俺は男の頭を何度も、何度も力一杯殴った。


力一杯殴った事で頭蓋骨が陥没しているのに男は痛がりもせずに近寄って来る。


それだけじゃ無い、首から大量に出血した所為で地面に倒れていた女の子が身体を起こし立ち上がり、男と同じように俺に掴み掛かって来た。


女の子も男同様青白い顔になっている。


そのとき校舎の中から人の悲鳴が響いて来た。


「キャァァァー!」


悲鳴を聞いて俺は目の前の2人を放置して校舎に走る。


教職員用の出入り口から校舎の中に入り悲鳴が聞こえて来る上階を目指す。


階段を駆け上がる俺の目に青白い顔の女子高生2人に掴み掛かられんばかりの女の子が映った。


青白い顔の2人の目を俺に向けるため大声を上げる。


「ゴラアァァー!」


大声を上げた事で青白い顔の2人と2人に襲われかかっていた女の子の目は俺に向けられた。


俺の姿を見た途端、襲い掛かられそうだった女の子は顔を両手で覆い悲鳴を上げながら廊下の向こうに走り去る。


「キャァァァー!」


そりゃあ下着姿のデブの中年男が階段の下から突然大声を上げて現れたら逃げ出しても仕方がないよ、傷つくけど。


でもね。


襲い掛かっていた制服のあちこちを血で汚した青白い顔の2人も一緒に逃げ出す事は無いんじゃないの? 


2人は怯えた顔で俺の方を見ながら近くの教室に入って行く。


溜め息を突きながら階段の最上段に足を掛けた俺はそこで足を滑らせ仰向けに階段から転がり落ちる。


ドサッ!


「痛えー!」


背中の痛みで目を開けるとそこは俺の部屋でベッドから転がり落ちていた。


「何だぁ? 今の 夢かよ?」


頭を振り目覚めの一服をしようと煙草に手を伸ばした俺の耳に開け放しの窓の外から悲鳴が聞こえて来る。


「ギャアァァァー! 痛いー助けてー!」






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― 新着の感想 ―
[一言] 拝読させていただきました。 夢じゃなかった。 これは怖い。
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