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もっと俺を信じてくれよなぁ

「明日まで猶予があるのが少し引っかかりますが、そこは特に気にしなくてもいいのでしょうか」

「気にしなくてもいいだろう。アマリアが絡んでいるみたいだし、うまくフェアズを抑え込んでの明日までの猶予なんだろうから」

「アマリア様が絡んでいると、何かあるのですか?」


 今、俺達は情報共有と作戦会議中。

 すぐに行っても返り討ちにされるだけ。時間がない中でも、ほんの少しでも勝算を上げられるようにしないと。


 でも、プルウィアがどこにあるかもわからないから移動の時間も考えないと。


「アマリアは管理者ではあるんだが、おそらくフェアズよりは甘い。人を無駄に殺さないし、見捨てない。ギルドの管理だけでいい所を、しっかりと冒険者も考えている。そんで、何故か俺、気に入られている」

「気に入られているのですか? でしたら、話し合いなどで解決は出来ないのですか? 正直、管理者と全面対決は避けたいところなので、話し合いで済むのでしたら……」


 グレールの言いたいこともわかるし、出来れば俺も平和的解決に持ち込みたい。

 けど――……


「わりぃ、それは無理だわ」

「……理由は?」

「アマリアは俺を気に入ってはいるが、フェアズへの恋心には叶わない。フェアズが俺を殺そうとしているのなら、アマリアはフェアズの肩を持つ。持つとは、思うんだが……」


 ちょっと、アマリアの立場が難しいよな。


 俺を完全に見捨てられるほどにあいつが冷たい奴だったら、俺の目の前でアルカとリヒトは消されているはず。


 俺が困惑し動けない時なら、管理者二人そろっていたんだ、簡単に殺せた。


 人質に使うと決めたのはアマリアが決めたのか。フェアズの魔法がプルウィアと相性が良く、戦闘が優位になる為おびき出そうとしているのか。


「? 持つとは思うのだが……なんですか?」

「……いや、アマリアは今、葛藤中なんだろうなぁと思って、笑ってる」

「無表情のように見えるのですが…………」

「心は大笑いだ。そんなことより、相手がプルウィアを指定して来たということは、フェアズにとって戦闘しやすい場所の可能性がある」

「そうですね」


 そう言えば、グレールが強いのはロゼ姫から聞いていたが、どんな戦い方をするんだ?


「なぁ、グレールの戦闘方法って、どんなだ? あと、属性は?」


「私の属性は氷です。基本は剣を使って戦います」


 アルカと同じ前線と考えてよさそうだな。


「なら、拘束魔法を凍らせてもらってもいいか? 消してもまた出されたら鼬ごっこになっちまう」

「了解しました」

「任せたぞ、グレール。あとは、流れに身を任せるしかないだろうな。これ以上は時間がない」


 早く行かないと、あいつらの命が危険だ。


 …………多分だが、あいつらは俺が助けに来るなど微塵も思っていないだろう。

 自分達を助けたからといって金が手に入るわけがない。そう考え、落ち込んでいるんだろう。


 アルカもリヒトも、優しく温かい。

 だからこそ、自分を安く見ちまうところがある。

 自分がいたところで意味は無いと考えちまう。


 まったく、俺は大事なもんを見失う訳にはいかねぇんだよ。

 絶対に、間違える訳にはいかない。一度でも外れれば、これからの道も狂い続ける。


 近くで見てきたんだ、狂った人間を。

 子供を殴っても、何にも思わない大人を。


 俺は、絶対に同じ道を歩まない。

 あいつらと同じ血が体を巡っているとしても、絶対に。


 金と命なんて。

 天秤にかけるのすらおかしい。


「――――――あ、そういえば」

「いかがいたしましたか?」

「いや、管理者二人を相手にするなら、もうそろそろ決めてもいいかもしれないなと思ってな」

「決める? 何をですか?」

「属性。そいうわけで、出てこい、リンク」


 俺が呼ぶと、偉そうに腕を組んでいるリンクが目の前に姿を現した。


 本当に目の前、近すぎて逆に見えねぇよ。

 こいつは本当にリンクだよな? スピリトじゃねぇよな?


(わたくし)みたいな上級精霊を名前を呼ぶだけで気楽に出そうと思わないでくれるかしら。私を使いたいのなら、もっと尊敬するようなっ―――』

「管理者であるアマリアに売られたくなかったら、俺のいうことを聞け」

『っ、な、なによ…………』


 めんどくせぇ話は後回しだ。

 いや、後回しも嫌だけど。


「お前の属性をそろそろ決めたいと思っている。それでなんだが、何か制約とかはあるのか? 俺が持っている属性じゃねぇと無理とか」

『いーえ、特にないわ。この私よ? 出来ない属性などあるわけないじゃない! 馬鹿にするのもいい加減にしてちょうだい?」


 鼻を鳴らしているこいつが正直腹立つが、今はどうでもいい。

 出来ないことはない……か。なるほど。


 普通の属性は、特別精霊にお願いしなくてもいい。

 炎や水だと俺の属性と被るし、雷や氷だとせっかくの精霊の力を生かせないだろう。


「んー……。普通の属性ではない。何か、いいものはないか。出来れば、普段から使えるような、楽できるような。なにか………。お金を発掘できるような属性はないか…………」

「目的がすり替わってはいませんか?」

「気のせい気のせい」


 ロゼ姫に突っ込まれてしまった。

 だって、金が欲しいんだもん。仕方がないだろう。


「何か、なにか……。都合がいいもの…………」


 んーーーーーー、駄目だ、思いつかない。

 無難なものは絶対に嫌だし、何かないかなぁ。


「でしたら、移動に特化したものなどはどうでしょうか?」

「え、移動に特化したもの?」

「はい。例えば、ワープとか」

「――――――なるほどな」


 グレールの助言のおかげで、いいことと思いついちゃった。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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