表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

641/648

因縁がありそうな二人の会話が気になりすぎて仕方がない

 なんか、魔法が聞こえた。

 瞬間、acqua(アクア)が渦を巻き、しばらくすると霧散し、消えた。


「な、何だ??」


 困惑していると、アルカが上を指さした。


「なぁ、あれ。エトワールじゃないか?」


 アクアの近くを見ると、大きな黒い魔女の帽子を被り、黒色のグラデーションのツインテールを揺らしている女が、笑いながらアクアの後ろに待機していた。


「はぁ~~~い、呼ばれてないけどこんにちは~! ここでの救世主、エトワールちゃんだよぉ~」

「きもっ、うざっ、おそっ」

「そのげんなりした顔は、私にとってはご褒美ですよ~」


 アクアの手を後ろで拘束しながら、俺達の元に降りてきた。

 その光景に、上にいたウズルイフがつまらなそうにふてくされている。


「つまんねぇ」

「ちょっと」

「まぁ、いいや。俺の目的は、違うしな」


 ウインクをしているウズルイフが気持ち悪い。

 じゃないや。


 目的がアクアを利用することじゃない?

 そもそも、アクアをどうやって利用したのかもわからないし。


 どうなってんだ??


「これこれ。落ちていたから拾ったんだよなぁ~」


 言いながらウズルイフが懐から出したのは、一つの魔石。

 まさか、あれは双子がまき散らした魔石の一つか?


「どこで拾ったの?」

「この学校でだぞ~」

「それで、その魔石でアクアを操ったの?」

「そういうこと♪」


 拾った魔石で、アクアを?

 そんなこと、普通ありえるか??


 だって、もう使用した後の魔石なんじゃないのか?

 不発したってこと?


「まぁ、これは別に遊びで使っただけだし、俺の魔力はもう少ないからいらね」


 言うと、ウズルイフが魔石を落した。

 地面にぶつかると、ガシャンと音を鳴らし、魔石は粉々に砕けた。


「さぁてと、帰るかなぁ~」

「待って、ただで帰すわけないでしょ」

「へぇ~? でも、どうする訳?? お前の魔力――というか、下の奴の魔力、もうないだろ?? どうするつもりだ?」


 ウズルイフに図星を突かれた。


 俺も魔力がもうない、アルカもないだろう。

 ソフィアは――――どうだろう。正直、わからない。

 戦えるのかな。


「ねぇ~?? ウズルイフちゃん、さっきから私を視界に入れないようにしているけどぉ~、なんでかなぁ~??」


 あっ、エトワールが笑いながら空を飛び、ウズルイフへと向かっていく。

 少し、ビビってる?? あの、ウズルイフが??


「――――やぁ、エトワールちゃん♪ 元気そうで何よりだよぉ~。でも、呪いは解けていないみたいだねぇ~。周りは死んでいくのに、自分だけが生き残る永遠の命ライフはどぉう??」


 え? ど、どういうこと???


「んー?? それはねぇ~、さ、い、あ、く♪ だよ。ねぇ、私にかけられた呪い――時魔法は、術者が死ねば、無くなるのかなぁ??」


 ――――ゾクッ!


 な、なんだ、この悪寒、殺気。

 エトワールから、放たれているのか?


「おい、あの女。殺し屋か??」

「え? 別に、そういう訳ではないと思うけど……」

「だとすると、やべぇな。あの目は、人を殺し慣れた目、だぞ」


 ――――え??


 再度上を見ると、エトワールは楽しそうに目を細め、ただひたすらに笑っている。

 まるで、ウズルイフをあざ笑うかのように。


「どうだと思う?」

「答える気はないみたいだね、ならいいや。――――|bevelensomniumブヴェールン・ソムニウム


 エトワールがウズルイフと目を合わせ、魔法を唱えた。

 すると、ウズルイフが動かなくなる。


「私の夢魔法に、殺傷能力はないの。でも、使い方次第では、簡単に人の骨を折れるわよ。それで、人間が一番、折られてはいけない骨ってわかる? ――――首よ」


 な、なんだ。

 今までへらへらしていたエトワールとは、まるで別人のような殺気、表情、視線。


 今までのは、演技だったのか?

 そう思う程に、今のエトワールは別人だった。


「それじゃ、試させてもらうわね。――――”頭から落ちなさい”」


 エトワールの冷たい視線は、動きを止めたウズルイフに向けられる。

 今の魔法は、なに? まさか、無理やり命令をさせる魔法か?


 それなら、ウズルイフの今の位置から落ちたら、シャレにならんだろ。

 しかも、頭からなんて。


「――――ん?」


 後ろから、気配を感じた。

 ソフィアも感じたらしく、反射的に振り向いた。


「クロ!?」

「あー、ばれた。けど、いいや。うちの役割は、果たしたから」


 果たした??

 後ろにいたのは、管理者の処刑担当であったクロ。


 背中には、大きなライフルが背負われている。

 しかも、手に持っているのは、黒い魔石。


 上を見たかと思うと「あーあ」と、ため息を吐いている。

 そんな事をしていると、ウズルイフが頭から落ちた。


「やばっ」


 マジで死んだらやべぇって!

 走ろうとすると、後ろにいたクロが急いで飛びウズルイフを回収した。


 瞬間、目を覚ましたウズルイフが顔を上げた。


「おー、やっぱり夢魔法、嫌いだなぁ」

「今回はウズルイフさんが油断したのも敗因だと思いますよ」

「それもあるかぁ~」


 目を覚ましたのか。

 普通に話してる……。


「ウズルイフさん、これで間違いない?」

「おー、上出来。んじゃ、これ以上ここにいるとまずいし、ちゃっちゃと退散しましょうかね」


 言いながらウズルイフとクロがいなくなろうと上空へと飛んだ。


「待ちなさい!!」

「あっ、そうそう。一つ言い忘れてた。俺がかけたお前への時魔法、俺を殺したところで意味はねぇぞ。お前は永遠を生き、苦しめ。――――この、変態魔法使いさん」


 エトワールが手を伸ばし止めようとしたが、ウズルイフ達はいなくなってしまった。


 …………エトワールさんや、あのウズルイフに変態と言わせるほどに何をしたんですか。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ