ポンコツじゃないのはいいが、会話が普通にめんどくさい
リンクは俺から離れ、ロゼ姫へと向かった。
他に気を取られているからなのか、ロゼ姫はリンクに気づかない。
「アビリティ、魔力はあとどのくらい残ってる?」
『残り四十パーセントほどです』
「思っていたより残ってるな」
それなら、一回くらいならワープしても問題はなさそう。
一回だけでも、だいぶ魔力を消費するけど。
「話しは聞こえていたか?」
グレール達を見回しながら聞くと、全員頷いてくれた。
なら、リンクがロゼ姫を見つけるまでの時間稼ぎをしますか。
「リヒト、任せていいかって……空飛んでいる状態で鎖魔法は出せるのか?」
「問題ありませんよ」
ニコッと笑い、リヒトは杖に魔力を集中させた。
「――――chain!」
リヒトが魔法を唱えると、ロゼ姫の足もとから大量の鎖が現れ動きを封じた。
すぐに酸魔法で溶かそうとするが、そんなの俺達が許さない。
「turboflame!」
「icicle」
「|groundblade!」
炎の竜巻で酸魔法を霧散。
複数現れた氷柱でロゼ姫を突き刺し、土の刃で切りつけた。
「貫通してる……」
「俺、斬ることすら出来なかったのに……」
アルカが斬れなかったロゼ姫の身体が、グレールの出した氷柱で貫通されている。
怖がりながらグレールを見てみると、こっちは完全にキレていた。
「いつまで私はロゼ姫と離れ離れにされなければならないのですかなんでこんなことになっているんですか早くロゼ姫を感じたい触れたい匂いを嗅ぎたい。早く、早く早く」
…………。
「アルカ、俺達は俺達の役割を果たすぞ」
「わかった!!」
とりあえず、chainが壊されないように気を付けながら、リンクの魔力探知を待つ。
幸いにも、グレールの氷柱とアルカの土の刃で動きを封じられている。
時間稼ぎは、できそうだ。
けど、いつまでもという訳には、絶対にいかない。
できるだけ早く、魔力探知して欲しいんだけど……。
「思ったより、時間がかかっているな……」
一向に見つけたという連絡が来ない。
距離が離れているのか、それとも何かによって邪魔されているのか。
どちらにしろ、何かあれば連絡してくるはず。
それを信じて、俺はこいつの動きを封じ続けるか。
流石に、リヒト一人では限界があるし、貫かれた氷柱も今しがた壊された。
これでクジラの魔法なんて出されたら、どうすることも出来ないぞ。
「…………魔力を込め始めた」
でも、体が大きい分、時間もかかるみたいだ。
出されちまったら終わりかもしれないけど、出されなければ対処はできる!
「――――flamaArrow」
アルカの地の刃が効かなかったことを考えると、中途半端な魔力だと不発に終わる。それはそれで時間の無駄だ。
それなら、少し魔力を込めて放てばいいだけ。
杖を持っている右手の肘辺りに狙いを定め、炎の弓を放った。
――――ドカン
ギャァァァァァァァァアアア!!!
「よし!」
腕を焼き落した。
悲鳴で鼓膜が破れそうだけど、とりあえず腕を焼き落せたから時間稼ぎはできるはず。
「って、うわぁ……」
「腕が、復活する?」
焼きちぎられた箇所がぼこぼこと波打つ。
「復活する前にもう一発――……」
「frost」
グレールがぼこぼこと波打つ腕を凍らせ、復活を封じた。
た、助かった。
「はぁ、何でロゼ姫なんでしょう。何で私はロゼ姫と――……」
…………。
冷静を取り戻したのではないらしい。
最短の方法を体が求め、勝手に動いているような感じみたいだ。
まぁ、どっちにしろ、グレールがまだポンコツになっていないみたいで助かったわ。
「グレール、大丈夫なのか?」
「知っているか、アルカ。あのような状態の人間には関わらないのが一番なんだ」
「わ、わかった」
あいつの心配はしなくていい。
それより、まだ時間かかってんのか??
と、思っていたら指輪が光出した。
『――――リンクの準備が完了しました』
「おっ、やっとか」
んじゃ、次のステップに移行しよう。
「んじゃ、リヒト、アルカ、一応グレール。俺は、ロゼ姫の所に行く」
「私も行きます」
「二人をワープさせるほどの魔力は残ってねぇよ……」
グレール、無茶を言わないでくれ。
気持ちは痛いほどわかるから、そんな、悲しいのか怒っているのかわからない顔を俺に向けないでくれ。
「ゴッホン。俺は、ロゼ姫の方へと行く。こっちは任せたぞ」
グレールはまだ抵抗しようと俺の服を掴むが、リヒト達は素直に頷いてくれた。
グレールは、アルカが諫めてくれたため、そのうちに俺はリンクのワープで移動します。
「ロゼ姫ぇぇぇぇぇえええええ!!!」
…………グレール、巨大なロゼ姫は任せたぞ。
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