魔力の心配を凄くされているけど、俺ももうそろそろ危険かなと思い始めている
「…………まぁ、グレール達に任せようか」
「そうだね、僕達よりロゼ姫を選んだグレールに任せようか」
凄く棘があるな、アマリア君や。
考え方を変えようよ、俺達を信じてくれたんだって。
俺達を捨てたわけではない、信じてくれたんだと。
まぁ、正直どっちでもいいけど。
「このロゼ姫は全員、偽物と考えていいんだよな」
「大丈夫だと思うよ。本物のロゼ姫は、どこかに隔離されているはずだからね」
「なんで、そう言い切れるんだ?」
「それは――……」
アマリアと話していると、ロゼ姫の偽物軍団が走り出した。
イルカを大量に出し、俺達を襲う。
「ちっ、ゆっくりと話も出来ないのか。――――|absolute water」
俺の周りに水の防壁を張る。
すると、襲い掛かっていたロゼ姫達の動きが止まった。
「さて、話の続きをしようか」
「魔力は大丈夫なの?」
「まぁ、今のところは眠くないから大丈夫だろう」
「そう」
アマリア自身、沢山魔力を使った自覚があるのか、申し訳なさそうに聞いて来る。
けど、本当に大丈夫。
さっきも、アビリティが大丈夫と言っていたし、問題ないだろう。
「んで、話の続きだが、何でロゼ姫がどこかに隔離されているとわかるんだ」
「この偽物達は、ロゼ姫の魔力で生成しているはずなんだ」
「そんなこと、出来るの?」
「方法の一つにあるんだよ。人の魔力を具現化させる。そうすると、偽物のもう一人が出来上がる」
「へぇ、そんな事が出来るのか」
でも、ここまで大量に作られているということは、それ相応の魔力を消費しているんじゃないか?
「ロゼ姫は大丈夫なのか? 魔力とか……」
「相当危険だと思うよ。もう、強制睡眠に入っているだろうね。それでも、魔力を使われ続けると精神力にも関わるし、命も削られる」
「ま、まじで?」
「それだけ、魔力は大切にしようって事だよ、この世界では」
この異世界がどれだけ魔力を大事にしているのかわかっているし、魔力で色々と人生が変わるのも今までの人達を見てきてわかった。
でも、使い過ぎると命まで削られてしまうなんて知らなかったぞ。
さすがに先に教えてくれよ。
…………強制睡眠に入ったら、魔力を使えなくなるし教えられなくても当然か。
「なるほど。まぁ、正直、俺達はもうどうすることも出来ないしな、グレール達に任せようか」
俺達は、この大量のロゼ姫をどうにかしないといけない。
今は、何故か勝手に俺達に突っ込んできているから|absolutewaterに勝手に絡み取られている状態。
「知里、ここで食い止めるのも大事だけど、崖は見た?」
「崖? あー、なんかあったな。湖が広がってたぞ」
あの湖がどうしたんだ?
「あの湖、絶対に守り切らないと駄目らしんだよ。魔力の源だから」
「へぇ、そうなんだ」
「守れる?」
「わかんねぇけど、やってはみる」
けど、今はロゼ姫の偽物に囲まれているから奥がどうなっているのかわからない。
もし、この大量のロゼ姫の偽物が囮に使われているんだとしたら、まずいか。
「飛びながら戦うか」
「でも、そうるすと|absolutewaterは使えなくなるんじゃないの?」
「そうなんだよなぁ。でも、炎魔法で攻撃も出来るし、問題ないだろう」
とはいえ、どの魔法を使うかが問題なんだよな。
turboflameで、ロゼ姫達を炎の竜巻に巻き込ませるか。
|Dragonflameで、炎の竜を操り薙ぎ払うか。
|Mitrailleuseflameで、炎の弾を乱射するか。
どれも、広範囲攻撃と言う訳ではないし、アマリア達を守りながら崖を確認するのは難しいだろうな。
『heat hazeはいかがでしょうか』
「え? heathaze?」
陽炎を出してどうするんだよ。
意味なくないか?
『あの偽物達に頭脳はありません。それが証拠に、今も|absolutewaterに勝手に突っ込み、身動きが取れなくなっております』
た、たしかに。
そんで、絡み取られたロゼ姫の偽物は爆発し霧散している。
おそらく、窒息死。
『なので、遠くへとheathazeを繰り出し、チサト様の幻影を出すのです』
「あー、それを囮にして時間を稼ぐということか」
『はい』
それなら、何とかなりそう、か?
でも、出来るかぁ??
まぁ、やってみるか。
「アマリア、アンキ。今の話は聞いていたか?」
聞くと、二人は頷いた。
「でも、流石に本当に出来るかは不安っすよ。出来なかったらどうするんすか?」
「それだったら、炎の竜巻で何とか時間を稼ぐよ」
「魔力は大丈夫なんすか?」
「…………寝たらよろしく」
「嫌っす」
アンキ、てめぇ……。
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