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俺だって、信じる時ぐらいあるんだよ

 ソフィアとグレールは、細道を走っていた。

 その時、後ろから爆発音が聞こえた気がしてソフィアが足を止める。


「っ、どうしました?」

「後ろから爆発音が聞こえた気がしたが、気のせいだったか……」


 ソフィアの言葉に、グレールは目を閉じ気配を感じ取る。

 すると、目を大きく開き来た道を睨む。


「――――大量の魔力を感じます。しかも、アマリア様がいる方向から」

「なんだと?」


 二人は目を合わせ、何も言わずに来た道を戻ろうと走り出した。

 だが、グレールの足を何かが掴み転倒させる。


「おい、どうした!」

「あ、足に……」

「なんだ、足がどうした──って。なんだ、それ」


 地面から、細長い触手が現れグレールの足を掴んでいた。


 困惑していたソフィアだったが、直ぐに懐からナイフを取り出し、躊躇することなく切り、グレールは立ち上がった。


「また、足止めですか……」

「心底めんどくせぇな」


 周りを見ると、四方から触手が現れ二人を狙っていた。


 狙いを定めた触手が勢いをつけて、グレールへと襲いかかった。


 瞬時に後ろへと飛び、避けながら氷の剣で切った。


 ソフィアも、自身に襲ってくる触手を次々と切る。


 グレールもソフィアも、次々と襲ってくる触手をナイフや剣で切るがキリがない。


 早くアマリア達の場所へと戻りたい気持ちが先行し、苛立ち、二人の額に血管が浮かぶ。


「――――めんどくさいです。glace(グラース)


 怒気の込められた言葉を吐き捨て、グレールは地面に触れ、洞窟全体を凍らせた。

 触手も一緒に凍り、動かなくなる。


「地面に魔力を感じていたのか」

「そうですね。微弱でしたが」


 言いながら立ちあがり、ソフィアとグレールは目を合わせ頷き合う。

 そのまま触手を無視し、走り出した。


 ※


 まず、地上に上がってここがどこだか確認した方が良さそうだな。

 あと、被害がこれ以上拡大しないように魔石の回収もしたい。


 まずは、何から手をつけるか……魔石かな。

 被害拡大する前に食い止めないといけない。


「なぁ、スー、リー。お前ら、自分がどこに魔石を置いたのか覚えてないのか?」

「覚えていますが、魔石は移動するのであまり意味がないかなと」


 あぁ、たしかに移動していたな。


 アルカと学校内を駆け回っている時、俺達を追いかけてきていた。


「それでも、場所を知っている方がいいだろう。移動しているとはいえ、そこまで遠くまで動けないはずだろう?」


 リー達に聞くと、自信はなさそうだけど頷いた。


 なら、こいつらに場所を教えてもらいながら魔石を壊そうか。

 そんなことを考えていると、アルカが急に手を挙げた。


「どうした?」

「それなら、俺とリヒトでスーとリーと魔石を探す。カガミヤは、アマリア様の元に行ってくれないか?」

「え? 大丈夫か?」


 アルカからの提案は、今の状況には適している。

 けど、正直まだ、スーとリーを信用していいのかわからない。


 もし、裏切って二人に襲い掛かった場合、対処できるのか。余裕を持って行動できるのか。


 そんな不安がアルカ達に伝わったのか、何故か急に笑顔になった。


「大丈夫だ!!」

「私も、問題ありませんよ」


 …………言い切ったな、二人とも。

 ふーん、これなら問題なさそうだな。


「んじゃ、任せたわ」

「……え、いいのか?」

「え? 駄目なのか?」

「いや、任せてくれるのは嬉しいんだが、ここまであっさりと任せてくれるとは思わなくて、つい……」


 なるほど。

 まぁ、たしかに今まで過保護と言われるくらいに気にしていたからな。


「だって、お前らはもう俺がいなくても自信を持って戦えるだろ。実力は最初から高かったしな。だから、任せるぞ」


 二人の頭を撫でると、嬉しそうに目を細めた。


 ここは、子供だな。


「んじゃ、改めて言うぞ。任せたからな」

「はい!!」

「おう!!」


 嬉しそうだなぁ。

 めっちゃ、ウキウキしている。


 あっ、スーとリーが今の話を聞いていたから、何も言わずにリヒトとアルカに近付いて行く。


 だが、ちょい待ち。

 二人の肩を掴み、止める。


 不思議そうに首を傾げながら、俺に視線を向ける二人に顔を近づかせた。


「裏切ったら、許さねぇからな」


 それだけを伝えて、二人の肩を離す。

 凄く怯えてしまったけど、知らん。


 アルカとリヒトが呼んでいるぞ、早く行け。

 しっしっと二人を追い払うと、躊躇しながらもアルカ達へと走った。


 さて、俺は俺でできることをするか。


「もうそろそろ、使えるかぁ? 本当の役立たずになるんじゃねぇよ、魔道具」


 俺の腕にあるブレスレットに魔力を少しだけ込める。

 すると、淡い光を放った。


 まだ、壊れてはいないな。


「おい、グレール。反応しろ、おい」


 …………やっぱり、反応がなっ――……


『チサト様、御無事のようで何よりです』

「グレール!? 聞こえるのか!?」


 まさかの、グレールからの返答にびっくりしてしまった。


『はい、聞こえました。そちらは今、どのような状況ですか?』

「とりあえず、俺は今、自由行動になった。アマリアが大きな戦闘を行っているみたいなんだが、一緒にいるか?」

『いえ、ちょうど私達もアマリア様の方へと行く途中で触手に襲われています』


 しょ、触手??

 なんか、響きが嫌だなぁ。


「大丈夫なのか?」

『凍らせて切り抜けていますが、魔力が少なくなってきており……』

「そうか。なら、魔石を探せ。どこかには必ずある。それを壊せば触手は出なくなるぞ」

『それは、本当ですか』

「間違いない情報だ」

『わかりました、ソフィア様とも共有して探してみます』

「おう、俺も早く行く。絶対に死ぬなよ」

『貴方もですよ』

「おう」


 んじゃ、グレールの無事も確認できたし、俺も進みますか。


 多分、地下。行くぞ。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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