時間稼ぎ
グレールとソフィア、アンキは、地下道を真っすぐに走っていた。
「ねぇ、ソフィアさん。はぁ、な、なんか、長くないっすかぁ? む、無限ループ入ってないっすかぁ??」
アンキは、ソフィアやグレールより息切れをしており、前を走っているソフィアに問いかけた。
「なんだ、ばてたのか??」
そんな彼の問いかけに、ソフィアはどこか小馬鹿にしたような返答をする。
「いやいや!! なに馬鹿にしたような言い方してんすか!! ソフィアさん達が化け物なんすよ!! だって、全力で走ってもう一時間以上っすよ!! さすがにばてるっすよ!! それに、絶対に無限入ってるっす!! いいから一度止まりましょうよ!!」
アンキとソフィアの会話が聞こえていたグレールは、後ろを少しだけ見た。
ソフィアと目を合わせ、立ち止まる。
「はぁ、はぁ……。さすがに疲れたっす」
「軟弱者」
「ソフィアさん達が桁外れだと言うのをしっかりと頭に刻んでほしいっす」
膝に手を当て何とか息を整えているアンキとは裏腹に、一切息を切らしていないソフィアは周りを見回した。
「…………おい、暴走野郎。魔力は感じるか」
「微かに漂っていますね。壁を壊しましょう」
「待てぐらいしろ、暴走野郎」
ソフィアの呼び方に一切ツッコミを入れないグレールに、アンキは呆れていた。
それまでに今は、頭が働いていないのかとも考えたが、アンキでも集中しないと感じない微かな魔力を探知している為、冷静ではあるはず。
それでも「早く、早く……」と呟き、怖い顔を浮かべていた。
アンキはもうツッコまないと心に決め、ソフィアと共に周りを見回り始めた。
「――――道は、大人が二人横に並んでしまえば塞がる。道はずっと続き、走っているが魔獣もモンスターも現れない。もしかしたら、時間稼ぎトラップかもしれないっすね」
「可能性はあるな。つまり、誰かが何かを外で進めているのか。それが阻止されることだと理解しているから、こういうトラップを仕掛けた、と」
ソフィアは、壁を見つめ考え込む。
グレールも早くこの場から抜け出したいため、突破口を探す。
「――――この壁、本当に壁でしょうか」
「どういうことだ?」
「この壁自体から魔力を感じるのです」
「そうなのか」
グレールが言うと、ソフィアは一歩後ろへと下がった。
懐から拳銃を取りだし、壁へと向ける。
――――バンッ!!
「――――、俺の弾を吸収した」
「へぇ、ソフィアさんの弾を壁が波打つように受けて、そのまま呑み込んだっすね。変なの~」
アンキが弾を吸収した壁に触れてみると、急に壁から触手が現れた。
「ひっ!? そソフィアさん!! ソフィアさん助けてほしいっす!!」
触手はアンキの腕を掴み、壁の奥へと引きづり込もうとする。
アンキがソフィアに助けを求めるが、なぜか落ち着いており逆に「別行動でもいいかもな」と呟く始末。
「そんなこと言って!! この中が他の道に繋がっているとも限らないんすよ!!」
「繋がっている可能性も――――」
ソフィアが言いかけると、彼の後ろの上から何かが落ちた。
振り向くと、さっきソフィアが打った弾が、変形して落ちてきたことに気づく。
呑み込まれてしまえば、原形がとどまらない状態で吐き出されることがわかり、アンキは顔を真っ青にした。
「ソフィアさぁぁぁぁぁあああん!!」
「チッ、めんどくせ」
言いながら、拳銃の代わりにナイフを取り出し、触手を斬る。
次また捕まえられる間に、呑み込まれかけたアンキを引っ張り救出成功。
地面に転がったアンキは、ソフィアに縋りつき「ありがとうっすよーーーー!!!」と足に顔を押しつけた。
「邪魔だ」
「へぶ!!」
何の躊躇いもなく、ソフィアはアンキを蹴り飛ばし、すぐに調査へと戻った。
「ソフィアさん、酷いっすよ~。怖かったんすからねぇ~」
「まぁ、壁に安易に触ってはいけないということはわかった」
「役に立ったみたいで何よりっすよ!!」
もう、何を言っても無駄だと感じたアンキは、深いため息を吐き出し立ちあがった。
そのまま、二人と共に壁に触れずに何かないか調べ始めた。
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