意思のある指輪とか普通に恐怖なんだけど
唖然としていると、指にはめられた指輪が微かに光を放った。
そういえばさっき、指輪から何か言われたな。
頭に血が上っていて、はっきり覚えていないが。
『我が主、知里様。元主の命により、今後は貴方のサポートをさせていただきます。ご気軽にお使いください』
「何言ってんの?」
『元主の命により――……』
「それはもういい」
いや、マジで何を言っているんだ。
元主の命により俺を主にしてサポート?
頭がパンクしそうなんだけど。
服をリヒトに引っ張られた。
「カガミヤさん、大丈夫ですか? 怪我はありませんか?」
「おー、さっきは盾ありがとな。それのおかげで助かった。見ての通り無傷だ、気にすんな」
氷も完全に溶けているし、目立った傷もない。
「なぁ、それよりアルカ。アビリティだったか? これが意味わかんねぇこと言ってるんだが。お前らのも喋るのか? 主がどうとか」
そう聞くと、なぜか二人は目を丸くした。
……なんだ?
固まる二人をよそに、アビリティが勝手に映像を表示する。
『主、今回の魔法により魔力が大きく減少しております。念のためご確認ください』
気が利くのはありがたいが、いきなり話しかけるのはやめてほしい。普通にびびる。
「アビリティが……喋ってる?」
「え、なんか喋ったな」
アルカが俺を指差す。
幽霊でも見たような顔だ。
「なんで指輪が喋るんだ……」
「え、これ普通じゃないの?」
「普通は喋りません。能力値の確認や魔法一覧の表示ができるだけです」
「マジか」
……なんか、主人公ってすごいな。
いや、感心してる場合じゃない。
これ、世界を救えとかいう流れにならないよな?
俺は嫌だぞ。
そんな大役は別の主人公に任せてくれ。
パラメータを確認すると、ある違和感に気づいた。
「……あれ? ほとんど減ってねぇ。さっき“だいぶ減った”って言ってなかったか?」
『元主を基準として算出した場合、“だいぶ”に誤りはありません』
「あ、はい。すみません……。ん? 元主? さっきから言ってるその元主って何だ?」
『詳細は後ほど。長くなりますので』
「はい」
まぁ、今ここで聞く話でもないか。
今は――報酬だ。
「なぁ、この後どうすれば報酬がもらえるんだ?」
「あ、えっと……ワイバーンを倒したから、奥の道が開いているはずだ。そこに宝が――」
「今すぐ行くぞ。早く来い」
この広間のどこかに新しい通路が出ているはず。
「……あれか?」
指差すと、リヒトが真っ先に走り出した。
元気だな。
おじさんにはついていけん。
後を追おうとすると、アルカに呼び止められた。
「なぁ」
「何?」
「あんた、本当に何者なんだ?」
真正面から目を見てくる。
疑いか、純粋な好奇心か。
この真っすぐさが一番きつい。
「あれだけの力を持って無名はありえない。それに、その指輪。どこで手に入れた?」
「ぐいぐい来るな」
アルカは多分、好奇心だけで話しているわけではない。
表情が真剣そのものだ。
「無理に聞くつもりはなかった。でも、さっきの魔力を見て……気になって仕方がない」
まあ、そりゃそうだ。
「一応考えた。だが、腑に落ちない」
「腑に落ちない?」
「ああ。転移魔法だけじゃ説明できない。指輪はギルドの人間にしか与えられない。それをどうやって手に入れたのか。それに、あの魔力量をどう抑えているのか」
……ちゃんと考えてたんだな。
少しだけ見直した。ただのバカではないと。
「悪いが、それを俺に聞いても答えは出ない」
「なんでだ?」
「俺も強制的にここへ召喚された側だ。指輪は目覚めた時にはめられていた。どこで入手したかもわからない」
アルカの視線が痛い。
「この世界のルールも知らない。何をするにも初心者だ。俺に聞いても答えは出ない」
「……そうかもしれないけど」
俯かれても困るって。
俺だって説明が欲しい側なんだ。
『はい』
「呼んでねぇよ、アビリティ」
『後ほど説明する予定でしたが、空気が重いため、今ご説明いたします』
……あ、はい。
どうぞ。
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