早くみんなと合流したい
二階でも魔力を探り、一番強い魔力を感じたところへと走る──が、まじで危険すぎるぞ、この廊下!
所々崩れているし、踏み込んだ瞬間に床が落ちたり、天井から瓦礫が落ちて着たりと……。
油断したら、この建物に殺される。
「うわっ!!」
「カガミヤ!!」
考えている傍から床が崩れ落ちちまった。
アルカが手を掴んでくれて上に這い上がれたが、本当に危険すぎるだろ……。
「ありがと……」
「俺が前を走るか?」
「頼みたいが、魔力の探知は俺がしているし、俺が先の方がいいだろ」
言いながら立ちあがり、埃を掃ってまた走り出す。
崩れる瓦礫や床に気を付けながら走っていると、廊下の端まで来てしまった。
「あ、あれ? おかしいな。もっと上だったか?」
途中、魔獣も現れなかったし、生徒や教師に会わなかった。
物音すらしなかったけど、まさか間違えているのか?
でも、魔力は走れば走るほど近付いているのがわかる。
間違えていないはずなんだけど……。
「…………もっと、上に行ってみるか……」
「おう」
階段を上がり、三階へと向かう。
予想はしていたが、やっぱり酷い。
床は崩れ穴が開いているし、瓦礫が散乱していて本当に酷いな。
「なぁ、この崩れ方、変じゃないか?」
「変? 魔獣が暴れてこのありさまになっちまったんじゃないのか?」
アルカが渋い顔を浮かべながら周りを見回し「そう、だよなぁ」と気になる言葉を零す。
アルカみたいな直感で動く人の咄嗟に出た言葉って、侮れないんだよな。
でも、変って。何が、変なんだ?
俺も周りを見てみるけど、わからん。
普通に魔獣が暴れて崩れたとしかわからん。
「…………なんか、自然と崩れた感じ……じゃないか?」
「え? 自然と崩れた?? 老朽化が進んでしまったってことか?」
「さすがにそこまでは……」
「それに、数日前はあんなに輝いて見えていた学校が、急に老朽化するのも変じゃないか?」
「それも、そうだよなぁ」
アルカはそのまま首を傾げてしまった。
俺も、首を傾げたいぞ。
…………いや、待てよ……?
「…………魔力が溢れている」
壁に手を付き、探知を試みてみると魔力が微かに漏れているのが分かった。
それも、壁の亀裂から。
「まさか、この建物自体が、魔力で生成されているのか?」
「そ、そんなことできるのか?」
「俺にはさすがに分からんが、魔力に精通しているツムリア帝国ならあり得そうなんだよな」
まぁ、今そんなことを考えても仕方がないし、早くみんなと合流したい。
そのためには、動かないといけないんだけど……。
「魔力を感じてここまで来たけど、なにもないんだよなぁ」
もしかして、もっと上か?
でも、この上って、たしか屋上……。
屋上に何かがあるのか? 外から見た感じだと、特に何もなかったけど。
「…………なぁ、カガミヤ。あれって、なんだ?」
「ん?」
アルカが一つの教室を指さしている。
俺も見てみると、たしかに中に何かがある。
なにかが、中心で光っている。
「な、なんだこれ」
「魔石だとは思うんだが、なんでこんな所に浮いているんだ?」
魔石??
まぁ、魔石以外の説明が出来ないか。
崩れている教室の中心に浮かぶ、光り輝く魔石。トラップとしか考えられない。
「触れてみるか?」
「絶対にトラップだろ。無視しようぜ」
「わ、わかった……」
アルカが後ろを気にしながら俺について来た。
魔石は気になるけど、今は無駄なことに意識を費やせない。
とりあえず、誰かと合流を――……
「か、カガミヤ、流石にあれ、無視できなさそうだぞ」
「あぁ? なんだよっ――――え」
振り向くと、何故か魔石が俺達を追いかけるように廊下へと出てきていた。
目を離さずに後ろへと進むと、付いて来る。
また一歩、後ろに下がるが付いて来る。
さらにまた一歩……移動した分だけ付いてくる。
な、なんで?
「…………ん???」
「ど、どうする? 壊すか?」
「壊して、いいのか……」
絶対にトラップだとは思うんだけど、無視するとやばそうだな。
「アルカは後ろに下がれ。俺がやる」
「え、き、危険じゃないか?」
「離れていれば問題はないだろう。すぐに対処は出来る」
今の距離を保っていれば、何か発動させてしまったとしても対処は出来るはず。
「んじゃ、行くぞ。flame」
周りに被害が行かないように抑えめのflameを放った。
瞬間、魔石から強い光が放たれる。
目を瞑りたくなりそうになるが、視線を外すわけにはいかないから頑張って堪えていると、やっぱり普通には壊れてはくれない。
「――――くっそ、魔獣か」
「行くぞ、カガミヤ!!」
魔石から大量の猿が現れた。
俺達に向かって来る。
「んじゃ、まぁ、やりますか」
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