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予想外な出会い

 知里が地上に出た直後、アマリアは地下に残ったことを後悔していた。


「まさか、こんな所で出会うことになるなんて思わなかった。しかも、なに? その怪我。理事長あろう人がそんな体たらく。何があったわけ? クイン」


 アマリアが地下を進んでいると、肩が切れて血を流している理事長のクインと出会った。


 肩の怪我が酷いが、他にも額を切っていたり、足を引きづっている。

 早く治療をしなければ年齢もあり、危険かもしれない。


 それでも、アマリアは悪態をつく。

 そんな彼の様子を見て、理事長は首を傾げた。


「なぜ、そのようなことを言われなければならないのでしょうか。…………いーえ、今はそんなことは関係ありません。元管理者であるアマリア様に、お願いしたいことがあります」

「僕にお願い? …………なに?」


 事態が事態なため、アマリアは警戒しつつも耳を傾けた。


「この地下には、隠されている修行場があります。それと、この学校に巡っている魔力の媒体もあります。今放たれている魔獣に襲われる訳にはいかないのです。なので、守っていただきたいのです。私は、見ての通りこのざまなので」


 理事長の言葉に嘘はない。

 だが、アマリアは素直に頷けなかった。


 修行場とは、具体的にどこにあるのか。

 媒体とはなんなのか。


 クインをじーっと見ながら警戒していると、彼女は眉間に皺を寄せ首を傾げた。


「…………あの、何故ここまで私は警戒されているのでしょうか」

「それを素で聞いているのなら、相当やばいよ? 君の学校のルールは厳しすぎる。それに、君の性格も、普通に怖いよ。あと顔」


 アマリアの言葉に理事長はポカンとしてしまった。

 だが、すぐに言葉を理解し咳払いをした。


「ま、まぁ。厳しすぎるところはあったかと思います。ですが、そこまで言われるほどではなかったと思いますよ。一人で戦い抜かなければ魔法使いであれど生きてはいけません。人との馴れ合いは無用、実力を出せずに死ぬだけです」


 理事長の言葉に、アマリアは眉を顰めた。


「その言葉も一理あるけど、それを強制するのはおかしい。それに、何でもすぐに退学、停学させるのも良くないと思うよ。未来は、すぐにわからない。時間をかけて育っていくものだよ」


 アマリアの言葉に、クインは驚き片眉を上げた。


「何を言っているのですか? そんなこと、わかっていますよ。今まで退学になった生徒は、魔法使いとしてやっていく自信がなくなった生徒のみで、私から退学にさせたことなど、そこまで多くはありません」


 目を丸くし、クインはアマリアの言葉に首を傾げた。


「どういうこと?」

「それは私のセリフですが…………って、こんな話をしている場合ではありません。私について来てください、じゃなければ大事な生徒が死んでしまう!!」


 理事長の焦りは本物で、アマリアは動揺を隠せない。


 そんな彼を無視し、クインは「こっちです!」と、浮遊魔法で地下の奥へと向かってしまった。


「…………ついて行くしかないか」


 この状況で一人悩んでいても仕方がないと自分に言い聞かせ、アマリアは渋々付いて行くことにした。


 ※


 地下を進んでいると、アマリアは徐々に魔獣が増えていることに気づく。

 それも、猿だけではなく、狼や鴉まで現れた。


 アマリアの音魔法で何とか蹴散らせているが、クインが魔法を出すたびに苦い顔を浮かべており、微妙な空気が二人の間に漂う。


「その魔法、周りに被害が無いようにはできないのですか?」

「音魔法だから無理なのは、クインならわかるよね?」

「そうですね、そうですが…………」


 渋い顔を浮かべながらもクインは引き下がり、アマリアを案内する。

 すると、前方に炎とはまた違う光が放たれていることに気づいた。


 それは大広間の光、アマリアはそう思った。

 けれど、クインは違った。


「まずい!!」


 焦ったようにシールド魔法を展開。

 瞬間、轟音と共にレーザーのような攻撃が放たれた。


 クインのシールド魔法では到底防ぎきれないほどの威力だと瞬時に判断したアマリアは、すぐに大人の姿に変貌。


via sunet(ウィア・スネト)!」


 前方一直線放つ、音魔法。

 威力はあるが、反動もあり、大人の姿でなければ出せない威力重視の魔法だ。


 クインのシールド魔法はすぐに破壊され、アマリアの魔法とぶつかり合う。


「これは、結構やばいね。強い」

「相手は、魔獣ですね。ですが、狼でも猿でもない。姿も確認が出来ませんね」


 クインは冷静に相手を分析し、アマリアは何とか攻撃に耐える。


「放ってきた属性は、おそらくアマリア様と同じ音魔法。それに加え、氷魔法も重ねられており、ソーラービームのような魔法になっておりますね」

「魔獣が二体いるってことか」

「みたいですね。ですが、氷魔法なのなら溶かせばいいだけです」


 言いながらクインは、懐から一冊の本を取りだした。

 魔導書のように見える本はボロボロで、なぜ今取りだしたのか理解が出来ない。


 アマリアがクインの動きを見ながら攻撃を防いでいると、何を思ったのか。

 クインは、急に取り抱いた本をレーザービームへと投げた。


ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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