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一人も嫌なんだよ!!

 歩いていた足を止めて、みんなで周りを見てみた。


 けど、細工も何もない。

 モンスターの気配もないし、さっきみたいなワイバーンが周りを囲っている感じもない。


 本当に、なにもない一本道。

 いくら気配を探っても、何も感じない。


「なんだか、何も感じないのも変だよね」

「そうですよね。道も長いし、分かれ道すらない。どうすればいいんでしょうか」


 ここでまさかの立ち往生。

 前に進んでも意味ないし、下がっても無意味。


「絶対に仕掛けはあるはずなのに、なんで何も見つけられないの…………」

「うーん。とりあえず、もっと先に進んでみようか。一時間二時間歩いても意味が無かったら次を考えよう」


 そ、そんなに歩くの?

 でも、ダンジョンだとそのくらいは普通なのかもしれないし、頑張ろう。


 ※


 一時間ほど歩き、やっと前方に光が見えて来た。


 無限ループしているわけではないみたいで安心したよ!!


 光の方へと向かうと、なにもない空間にたどり着いた。

 警戒しながら周りを見てみるけど、なにもない。


 奥には二つの、木製の扉があるだけだ。

 上には看板、何か書いてある。


「え、えぇっと。右側が次に進む扉。左が、脱出の扉、らしいですよ」

「中ボスを倒したことで、中間地点へと来たみたいだね」


 脱出も出来るんだ。

 まぁ、あれだけのモンスターを用意しているわけだし、何とか潜り抜けても次で死んでしまう可能性がある。


 ここで救済処置って感じか。

 それで、休憩所でもある。


 だから、前方からモンスターが襲ってくることはなかったんだ。

 でも、あんなに道を長くする必要は、なかったんじゃないかなぁ……。


「んー、奥へと行けなくはないけど、どうしましょう?」


 と、聞いてみるけど、エトワールさんなら絶対に奥へと進むと言うだろうね。

 次はどんなモンスターが現れるんだろう。


「――――――――いや、ここで一度出ようか」

「え? 出るのか?」


 エトワールさんの返答に一番驚いたのは、ビジョンさんだった。


 でも、私も驚いた。

 エトワールさんなら必ず次に行こうと無理やり連れて行こうとすると思った。


「まぁ、ここで脱出がセオリーだろ。この奥に行くには、もっと攻撃魔法に特化した奴を連れて来た方がいいぞ」

「わ、わかりました」


 キロンニス先生の言う通り、今回のメンバーはさすがにサポート型が揃い過ぎた。


 攻撃特化かぁ。

 カガミヤさんかアルカを連れて来たらいいかな。


 まぁ、今回は罰で送り込まれただけだし、もう二度と入ることはないだろう。


「それじゃ、外に出ようか」


 エトワールさんがまた率先的にドアを開こうとする。

 けど、なんか違和感。エトワールさん、何か怖がってない?


「エトワールさん、何かありました?」

「え? な、なんで?」


 やっぱり、顔色が悪い。

 でも、体調が悪い訳ではなさそう。


「なんか、様子がおかしくないですか? さっきまで飄々としていたのに、何かに怯えているような…………」


 素直に感じていることを聞くと、エトワールさんは顔を俯かせてしまった。


「…………いやぁ、なんか。外から変な空気を感じてさ。これはあくまで直感で、なにか根拠があるわけじゃないんだけど」


 顎に手を当てながらエトワールさんはポツポツと話してくれる。


 直感? 外から変な空気を感じる?

 ど、どういうこと?


「よくわからんが、とりあえず外に出てみるぞ」

「キロンニス先生も何か感じているのです? なんか、顔色が悪いですよ~」

「おめぇほどじゃねぇよ」


 言いながらキロンニス先生は、脱出のドアを開けようと手を伸ばした。

 すぐにドアノブを握り、回した。


 普通にガチャと、扉が開いた。

 その奥は、何かが渦巻いている。


「なんか、ブラックホールみたい。この中を通れば外の世界に帰れるのでしょうか」

「だろうな。一応、警戒しながら来いよ」


 言いながらまず、キロンニス先生が行ってしまった。

 続いて、エトワールさんが中へと入る。


 最後に残された言葉が不穏すぎて、行きたくない。

 けど、こんな所にいるのも嫌だ。


「とりあえず。俺達も行くぞ。何があるかわからんが、急ぐぞ」


 ビジョンさんも行ってしまった。

 あぁ、もう!! 一人取り残されるのも怖いじゃん!!


 勇気を振り絞って、私もドアを潜った。


ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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