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出来るかわからないけど、やりたいからやるよ

「おそらく五体くらい、か。意外と少ないわね」

「六大属性全部あって、その中で氷は五体だから多い方じゃないですか?」


 なんとか数えてエトワールさんに報告すると、険しい顔を浮かべられてしまった。

 せめて、少しは褒めてほしい。


 途中、ワイバーンと目が合ってしまって、突っ込まれてしまったのもあるんだから……。


「んー。どうやったら誘導できるかなぁ。空飛ぶ以外で何かいい方法があればいいんだけど……」


 やっぱり、一番の難関は誘導、だよね。

 カガミヤさんがいたら、多分heat haze(ヒートヘイズ)で誘導できるとは思うんだけど。


 今は、カガミヤさんいないし、他にいい方法……。


 そう言えば、heat haze(ヒートヘイズ)って、陽炎みたいなものって言っていた気がする。


 つまり、幻覚だよね?

 幻覚って、幻想魔法でどうにか出来ないのかな。


「ビジョンさん」

「なんだ?」

「ビジョンさんの幻想魔法で、ワイバーンをあの扉まで誘導できませんか?」


 聞くと、顎に手を当て考え込んでしまった。


 エトワールさんとキロンニス先生も、ビジョンさんの返答を待っている。


「…………一つだけ、誘導できそうな魔法はある」

「本当ですか!?」

「あぁ。だが、使い慣れていない魔法だからそこまでの正確性はないぞ。それでもいいか?」

「大丈夫です! もし難しければ他の方法を試しましょう!!」


 やった! なんとかなりそう!!


「わかった。だが、氷のワイバーンだけではなく、他の奴も引き連れてきそうだが、大丈夫か?」

「…………え?」


 うっそ。

 それは、さすがに難しいよ。


「それなら私とリヒトちゃんで他のワイバーンを落せばいいだけだから問題ないわ」

「私には無理ですが!? エトワールさんの魔法も攻撃魔法ではないですよね?」

「少し動きを封じ込めることは出来るわ。でも、落すのはリヒトちゃんしか出来ないわねぇ」

「私も出来ませんよ!?」


 なに、当たり前のように私が落せることを前提で考えているんですか!

 私だって攻撃魔法は持っていませんよ!?


「鎖で叩き落とせないのか?」

「ビジョンさん、鎖を万能アイテムか何かだと思っていませんか? 鎖は使いやすいですけど、私自身がそこまで使いこなせていませんよ?」


 流石に叩き落すまでは無理ですよ……。


「それなら、これを使えばいい」


 言いながらビジョンさんは、右手を誰もいない空間に向けた。


flame(フレイム)


 ――――――――バコンッ


「え、な、なにを?」


 なぜ急に壁を壊したの?


「この岩をワイバーンに鎖で投げたら落とせないか?」


 壊された壁を見てみると、大きな岩がゴロンゴロンと落ちていた。


 これを、投げる?


「イメージさえできればいいですね」

「イメージ……」


 魔法はイメージだから、確かに出来るかもしれない。


 さっきも、イメージでなんとか足場を作ることができたし、今回も出来る、かな?


「ひとまず、持てるか確認させて」

「どーぞ」


 岩は私の体半分くらいの大きさはある。

 普通なら女子一人でこんな大きな岩を持ち上げられない。


 でも、イメージをしっかりとすれば、出来るはず。


「――――――――chain(チェイン)


 杖から鎖が伸び、岩へと巻き付く。

 それを上に浮かべるイメージ。


「────ぐっ!」


 流石に、重たい。

 けど、持てそう!!


「うりゃぁぁぁぁあああ!!!」

「おおおー!!」


 エトワールさんの歓喜の声と共に岩を三つ、持ち上げられた。

 けど、重たい!! ずっとは無理だ!!


 ――――――――ドスン!!


「はぁ、はぁ」

「出来そうだな。でも、そんな調子で投げられるのか?」


 こんなに重たいものを、投げる……。

 持ち上げるだけで辛いんだけど、これを投げるのか。


「…………やって、みます」

「へぇー。絶対に無理と言うと思っていたけど、やるの?」

「はい。今までは何でも出来ないと言って、周りに迷惑をかけていました。ですが、出来るかもしれないのなら、やってみようと思ったのです!」


 エトワールさんの言い分もわかる。

 今迄の私なら出来ないと言っていただろう。


 でも、出来ないでは済まされない事態は沢山潜り抜けて来た。

 そして、これからも出来ないだけでは済まされない。


 ここは、まだ失敗が許される。

 カバーしてくれる人達が沢山居る。


 こんな時じゃないとチャレンジも出来ないでしょ!!


「出来るか出来ないではなく、やるかやらないか、です!!」

「やる気十分だね。それじゃ、ビジョン。お願いできる?」


 エトワールさんが杖を握り直し、強気な笑みを浮かべながら問いかけた。

 ビジョンさんも、力強く頷き前に出た。


「――――――――あそこか」


 ビジョンさんの目線の先には、氷のワイバーンと、二体の他の属性のワイバーンがいた。

 あそこが、一番ワイバーンが少ない。


「行くぞ」

「よろしくお願いします!!」


 深呼吸をして、右手を氷のワイバーンへと向けた。


「――――――――Gespenst(ゲシュペンスト) 」


ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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