サポートもすごく大事だからな!
「身体能力は、正直申し分なかった。だから、無駄に同じことをする必要はない、時間の無駄だ。すぐに次の修行に移るぞ」
「は、はぁ……」
いきなり魔法を使っていいと言われた時はびっくりしたけど、やった。
やっと、思いっきり戦えるぞ。
喜んでいると、ソフィアが無表情のままに俺を見た。
「だが、ただ魔法を使うだけでは、模擬戦と変わらねぇ。条件を加える」
「な、なんだ?」
「新たな魔法を考えろ」
あ、新たな魔法?
た、確かに俺は、三つしか魔法は使えない。
それは、やっぱり駄目、だよな。
よしっ!!
「わかった!! でも、どうすれば……」
「魔法はイメージなんだろ? イメージすればいい。まず、土魔法で出来る限界を考えろ、その中で強くイメージ出来ることを探せ」
「限界……」
土魔法でできること……。
俺が今持っているのは、剣の刃が伸ばす、刃を飛ばす、土人形。
土は、色んな形を作ることが出来る。
だが、それは土人形でどうにかなるはず。
土、土……。
「…………頭から煙が出てるっすよ」
「はぁ……」
アンキの言葉にソフィアがため息を吐いてしまった。
ため息を吐かれても困る。だって、わかんねぇーんだもん。
落ち込んでいると、ずっと大人しくしていたエヴリンがこっちにやってきた。
「あの、アルカさんは、今現在どのような魔法が使えるのでしょうか?」
「えぇっと。土人形と、剣の刃を伸ばすのと、刃単体を投げつける事は出来るぞ」
「なるほど…………」
エヴリンが顎に手を当て考え込む。
数秒待っていると、眼鏡がキラリと輝いた。
「では、私が一つ考えてもよろしいでしょうか?」
「お、おう」
考える? 魔法って、他人が考えて俺が習得って、できるのか?
「では、一つ今思いついたのがありまして」
「お、おう」
なんか、息荒くなってきていないか?
顔が近づいて来る、何を考えているのかわからんくて、怖いぞ。
「土でしたら、水属性程ではないですが、自由に形を作れると思うのです。しかも、固い。壁を作り出すのはいかがでしょうか」
「壁……。シールドって事か?」
「はい」
確かに、今シールドを展開できるのって、よく考えたらリヒトだけだったな。
他は全員攻撃型。あっ、アマリア様はサポートか。
「シールドかぁ、考えもしなかったな。攻撃じゃなくてもいいんかな」
「貴方のチームって、攻撃特化型の人はあなた以外にいないのでしょうか?」
「いる」
つーか、リヒトとアマリア様以外、攻撃特化型なんじゃないかな。カガミヤを筆頭に。
「それなら、サポートできる人材はいますか?」
「二人くらいだな」
「それなら、アルカさんがどちらも補えるオールラウンダー的な立場を目指すのもありかなと思いますよ」
ほぉ~、なるほど。
俺、攻撃ばっかり考えていて、サポートはリヒトばかりにお願いしていたな。
拘束も、回復も。
シールドなんて、リヒトしか使えないから、頼りっぱなしだ。
カガミヤも、もしシールドが使える人が増えたら、攻撃に集中出来たりすんのかな。
もっと、作戦の幅が広がるのかな。
「シールドも大事だぞ。俺の場合は攻撃の方が発散できるから好んで身に着けているだけで」
「俺っちも、シールドは大事だと思うっすよ。まぁ、攻撃の方が楽しいからそっちを身に着けてしまうっすけど」
「確かに、攻撃の方が楽しいんだよなぁ」
ソフィアとアンキの言う通り、攻撃の方が楽しいし、戦闘では攻撃の幅も広がって役に立てるとは思う。
でも、だからと言って、サポート役が何もしていないとは絶対に思わない。
だって、何度も何度もリヒトやアマリア様に助けてもらっているし、命を救ってもらっている。
リヒトが居なければ、俺はここにも立てていなかったかもしれない。
「いかがでしょうか」
「やる。シールド、どうやったら身に付けられるんだ?」
「そ、それは、やっぱりイメージではないでしょうか」
「イメージ、か」
シールドだから、どんな形にするか、だよな。あと、性能も考えたい。
土でできる、何かないかな。
例えば、相手の攻撃を反射する、とか。
「まず、シールドをイメージしてやってみろ。どうせ、出来ねーんだから」
「それもそっか」
まずは、どこまでできるかをやってみた方がいいか。
うーん、シールドをイメージ。
せり上がる壁をイメージすれば、似たようなものは作れるだろ。
よし、魔力を剣に込めて、せり上がる土をイメージするぞ!!
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