修行の結果
罰ゲームは、三発で終わった。
三発が、アンキの持っている武器では最大の本数らしい。
でも、三本では、流石に戦闘で使い勝手が悪いからと、後で改造するらしい。
俺で試したのか。なんで、俺で……。
「これが、罰ゲームだ。どうだ、本気になったか?」
「最初から本気ではあるんだぞ、俺……」
「それもそうだな。黒髪とは違い、お前はいつでも本気の目をしている。だからこそ、むかつくな」
え、むかつく?
なんで、むかつかれちまうんだ。
「まぁ、いい。早く準備しろ。今度は、俺の番だ」
「はい!」
まぁ、いいや。
今は、強くなることだけを考えよう。
ソフィアの弓を、魔法を使わずに避け続けるぞ!!!
…………避ける、だけ?
「なぁ、一つ聞いてもいいか?」
「なんだ」
「弓を魔法を使わずに避けるのが今回の修行のルールなんだよな?」
「そうだな」
「避けるだけ、なのか?」
もっと、他の方法で弓矢を回避したい。
回避というか、なんか、反撃、したい。
「――――ほう。面白いことを聞く」
「え、そんなに面白いことを言ったか?」
「あぁ」
なんか、肩を震わせて笑ってる。
顔を手で隠しているけど、肩でわかる。笑ってるの。
「なぁ、なんで笑ってんだよ!! 笑ってないで教えてくれよ!!」
「そうだな、答えよう――――ふっ」
「だから、笑うなぁぁああ!!」
なんか、笑われると馬鹿にされている気がするんだよ!
「いいか、聞き漏らすなよ」
「あ、あぁ」
それで、すぐに真面目な表情になるにもびっくりだぞ……。
「とはいっても、別に魔法を使わない、ここから離れない。これ以外は何してもいい。その意味を理解しているか?」
「あぁ」
「何してもいいんだ。魔法を放たなければ、ここから離れないければ」
「あ、あぁ」
それは、何度も聞いたからわかるぞ?
でも、ソフィアが何を言いたいのかはわからん。
何が言いたいんだ?
「…………何をしてもいいって、他にどう説明しろってんだ」
「え、え?」
なんか、今度はソフィアを困らせてしまった。
アンキは声が出ない程に笑っているし、エヴリンはなぜか目を輝かせている。
俺、何か間違った事でも言ったかな。
「…………アンキ」
「~~~~~~~ま、ちょ、まっ。~~~~~!!」
「はぁ…………」
アンキは、話せないみたいだな。
どうすれば、いいのだろうか。
「お前が考えていることはなんだ。何がしたい?」
「反撃とかは、駄目なのか?」
「かまわん」
「いいのか!?」
かまわんってことは、いいんだよな!?
やった、避けるだけじゃ詰まらねぇもんな!!
「…………最初から言っているんだけどな」
「え、言ってないだろ」
「もういい。早くやるぞ」
「お、おう!!」
言われた通り、準備する。
次は、簡単にやられないし、魔法も使わないぞ。
「行くぞ」
「おう!!」
絶対に、強くなってやる!!
※
夜、アマリアとの修行を終らせ、安い宿で休んでいると、アルカがなぜか、ボロボロになって帰ってきた。
「どうしたの?」
「…………強くなるために、俺は。林檎を…………」
「なんて?」
あっ、床に倒れ込んだ。
林檎? な、何があったんだ? というか、どこに行っていた?
宿の人にもらった余りもののパンを食べながら倒れたアルカを見ていると、アマリアとグレールが近づいていった。
「怪我しているね。モンスターと戦ったのかな?」
「それはありえませんよね? アルカ様の実力的に、ただの野生モンスターにこんな傷を付けられるわけないかと」
グレールの言う通り、野生のモンスターなんかにアルカはさすがに傷すら付けさせないだろ。
「……魔力を感じませんね。盗賊でも襲われてしまったのでしょうか」
「それもありえないでしょ。このメンバーに囲まれているからアルカが弱く感じるだけで、盗賊なんて簡単にひれ伏せられる。傷を付けられるなんてヘマ、する訳ない」
アマリアって、意外とアルカとリヒトのこと認めているところあるよな。
たしかに、このメンバー(元管理者、SS実力者、姫、チート魔力、きちがい魔法使い)に囲まれているんだもんな、影が薄くなるのは仕方がない。
「それはぁ〜、ソフィアの修行結果ですよ〜」
「あれ、アクア? もしかして、アルカと共にいたの?」
「はぁい!」
アクアが遅れて部屋の中に戻ってきた。
いないと思っていたけど、アルカと一緒にいたのか。
…………なんで?
しかも、ソフィア?
え、アルカ、自らソフィアの修行を受けに行ったの?
「アルカがソフィアの修行を受けたいって言ったの?」
「そうみたいですよ〜。強い人を探しているみたいだったので〜。ついて行ったんですよー」
強い奴を求めた結果か。
アクアらしいな。
ゴロンと、ベッドに横になる。
今日は、特に俺は成果がなかったなぁ。
なんか、非常に疲れただけだった気がする。
「知里、自分は関係ないと思っているみたいだけど、明日も今日と同じだからね」
「…………うい」
はぁ、明日のために、今日は寝よう。
アルカもリヒトも頑張っているみたいだし、頑張るかな、俺も。
ここまで読んで下さりありがとうございます!
出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!
出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!
よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ




